この記事では、レイチェル・プラッテンのヒット曲『Fight Song』の歌詞を英語学習を兼ねて、解説します!
英語の洋楽を聴いていて
この歌詞はどういう意味だろう?
和訳はネットで検索すれば出てくるけれど
何故そういうニュアンスになるんだろう?
そんな風に感じたことはありませんか。
この記事を読んで、そんな疑問を解決して頂ければと思います!
概要
『Fight Song』
ファイト・ソング
『Fight Song』 (ファイト・ソング)はアメリカのシンガーソングライター、レイチェル・プラッテン(Rachel Platten) の曲です。
2015年にリリースされ、人気歌手テイラースウィフトからの後押しもあり、世界中で大ヒットしました。
全米を自主ツアーでまわるといった地道な音楽活動を大学卒業後に始めるも、10年以上の長い間 チャンスをつかめず、夢を諦めかけたときに自分を奮い立たせ書いたのがこの曲だそうです。
この曲がリリースされた当時の記事にレイチェル・プラッテンの以下の言葉があります。
Billboard.com
But something in me — this tiny little crazy voice — would not let me quit. That song was the apex of that moment where it was like, ‘You are not quitting. If nobody else believes in you, you have to believe in yourself.’
【訳】:でも私の中の何か、この小さな狂気の声が、私を辞めさせなかった。あの曲は「辞めたりしない。誰も信じてくれないなら、自分を信じるしかない」そういう瞬間の頂点だった。
“Fight Song” は「応援歌」という意味ですが、このような心境の中から作られたこの曲は、自分自身を奮い立たせる曲ですね。
この記事を読んで英語学習をしつつ、彼女の強い意思をあらためて感じてみてください。
以下、この記事では英語の文法を中心に歌詞を解説します。
歌詞・和訳
Lyrics
[Verse1]
【歌詞】
Like a small boat on the ocean
Sending big waves into motion
Like how a single word
Can make a heart open
I might only have one match
But I can make an explosion
【和訳】
大海原のに浮かぶ小舟が
大きな波を起こすように
たった一つの言葉が
心を開くことができるように
マッチは1つきりかもしれないけれど
私は爆発を起こすことができる
[Pre-Chorus]
【歌詞】
And all those things I didn’t say
Wrecking balls inside my brain
I will scream them loud tonight
Can you hear my voice this time?
【和訳】
私が言わなかったすべてのこと
頭の中の解体用の鉄球
今夜それを大声で叫ぼう
今度こそ私の声が聞こえる?
[Chorus]
【歌詞】
This is my fight song
Take back my life song
Prove I’m alright song
My power’s turned on
Starting right now I’ll be strong
I’ll play my fight song
And I don’t really care
If nobody else believes
Cause I’ve still got a lot of fight left in me
【和訳】
これは私のファイトソング
私の人生を取り戻す歌
私が大丈夫だと証明する歌
私の力がみなぎる
たった今始まるの、私は強くなる
ファイトソングを歌うわ
構いやしないわ
誰も信じてくれなくてもね
だって私にはまだ力が残ってるんだから
[Verse2]
【歌詞】
Losing friends and I’m chasing sleep
Everybody’s worried about me
In too deep
They say I’m in too deep
And it’s been two years
And I miss my home
But there’s a fire burning in my bones
And I still believe yeah I still believe
【和訳】
友人を失い、私は眠れず
みんなが心配してる
深みにはまってる
みんな言うの、私は深みにはまってるって
もう2年になるわ
故郷が恋しい
でも私の中には燃える炎がある
まだ信じている、そう、まだ信じているの
[Pre-Chorus] >> [Chorus] >> [Verse1]
上記と同様
[Chorus]
【歌詞】
(上記と同様)Now I’ve still got a lot of fight left in me
【和訳】
(上記と同様)
今、私にはまだ力が残ってるんだから
歌詞の意味・文法解説
[Verse1]
Like a small boat on the ocean sending big waves into motion
大海原のに浮かぶ小舟が、大きな波を起こすように
send 〜 (into …):〜を…の状態にする
motion:動き、動作
send は「送る・届ける」ですが「…の状態にする」という意味にもなります。
これはSVOCの文型で、目的語 O が 補語 C の状態になるとうことです。
この歌詞では、big waves (大きな波)を motion (動作) の状態にする、つまり「大きな波を起こす」となります。
[Pre-Chorus]
Wrecking balls inside my brain
頭の中の解体用の鉄球
wrecking ball:建物解体用の鉄球
[Chorus]
This is my fight song
これは私のファイトソング
fight song:応援歌
曲名となっている言葉です。
fight song は、「応援歌」という意味です。
たとえば、スポーツチームなどを応援する際に用いられる曲も fight song と言います。
阪神タイガースの「六甲おろし」も fight songです。
Take back my life song
私の人生を取り戻す歌
song を前から Take back my life が修飾しています。
この曲独特の表現ですが、take back my life はひとまとまりでいわゆる複合形容詞と呼ばれるものでしょう。
複合形容詞は、英単語が組み合わさってひとつの形容詞になつているものです。
follow-up check:追跡調査
well-known actor:有名な俳優
上記のように記述する上で、ハイフン ( – ) でつなげますが、人によってはつけたり付けなかったりするようです。
ここでは歌詞ですので、そもそも曲で聴いてハイフンがあるかわかりません。
ただある程度、英語に慣れると直感的に take back my life が song を前から 修飾していることはわかります。
それはもちろん take の意味上の主語が song だからです。
このフレーズは、以下の不定詞での修飾を song の前に持ってきたといえます。
song to take back my life
次に続くフレーズの Prove I’m alright song も同様です。
My power’s turned on
私の力がみなぎる
turn on:(電気製品のスイッチを) 入れる
上記の訳は意訳です。
スイッチが入れられて自分の力が湧き上がってくる、ということです。
turn on には、ほかに「ワクワクさせる」「(性的に興奮) させる」といった意味になります。
Cause I’ve still got a lot of fight left in me
だって私にはまだ力が残ってるんだから
fight:闘志、戦い
fight は「闘志、気力」「戦い、争い」のどちらの意味もあります。
上記の和訳は前者「闘志、気力」と捉えて訳しています。
後者「戦い、争い」として訳せば
I’ve still got a lot of fight left in me
私の中にはまだ多くの戦いが残っている
というように、自分自身の心の中での戦いが残っているような状態を表現していることになります。
[Verse2]
Losing friends and I’m chasing sleep
友人を失い、私は眠れず
chase:追いかける
chase は、捕まえために急いで追いかける、という意味で、何か逃げるものを追いかけるというニュアンスがあります。
この歌詞では、現在進行形で sleep (睡眠) を追いかけ続け、眠ろうとしても眠ることができない、という状態です。
余談ですが、昔、“Chasing sleep” (邦題「REM レム」)という、不眠症の男が主人公の映画もありました。
「追いかける」という意味では、他に follow , pursue , があります。
それぞれの意味合いは以下です。
They say I’m in too deep
みんな言うの、私は深みにはまってるって
in too deep:(抜け出せないほと) 深入りして
But there’s a fire burning in my bones
でも私の中には燃える炎がある
in my bones は直訳すれば「私の骨の中で」です。
in one’s bones はそのまま直訳どおりの意味になるときもあれば、慣用句として以下のような意味になるときもあります。
in one’s bones:生まれつきの、なんとなく、直感的に
have ~ in one’s bones:~が体に染み込んでいる
know in one’s bones that:(that以下) と直感する、確信する
“骨” は身体の中心ですので、深く根差した、理屈ではなく肌でわかる、というようなニュアンスです。
以上です。
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