この記事では、エルトン・ジョンの名曲『Your Song』(邦題:僕の歌は君の歌) の歌詞を英語学習を兼ねて、解説します!
英語の洋楽を聴いていて
この歌詞はどういう意味だろう?
和訳はネットで検索すれば出てくるけれど
何故そういうニュアンスになるんだろう?
そんな風に感じたことはありませんか。
この記事を読んで、そんな疑問を解決して頂ければと思います!
概要
『Your Song』
僕の歌は君の歌
『Your Song』(邦題:僕の歌は君の歌)は1970年にリリースされたイギリスのミュージシャンのエルトン・ジョン(Elton John) の曲です。
作曲はエルトン・ジョン、作詞はバーニー・トーピンです。
作詞のバーニー・トーピンと一緒に暮らしていた頃に作られた曲で、バーニー・トーピンが書いた詩を見て、エルトン・ジョンはわずか10分程で作曲したそうです。
曲名の『Your Song』の意味は、そのまま訳せば「君の歌」ですが、邦題は「僕の歌は君の歌」となっています。
おそらく以下のような歌詞になぞらえてつけられた邦題でしょう。
My gift is my song and this one’s for you
贈り物は僕の歌で、君のための歌さ
And you can tell everybody this is your song
みんなに言いふらしていいよ、これは君の歌だってさ
歌詞の内容はラブソングで、恋人へ贈る歌について切々と丁寧に綴った歌詞は、そのメロディとともに時代を超えて胸に響きます。
この記事を読むことで、あらためて名曲の歌詞を味わい直すのにお役に立てれば嬉しいです。
以下、この記事では英語の文法を交えて歌詞を解説します。
歌詞・和訳
Lyrics
[Verse1]
【歌詞】
It’s a little bit funny
This feelin’ inside
I’m not one of those who can easily hide
I don’t have much money, but boy if I did
I’d buy a big house where we both could live
【和訳】
ちよっと可笑しいね
胸にあるこの気持ち
僕は隠し事が得意じゃないんだ
お金持ちじゃないけど、もしそうなら
僕らが一緒に住む大きな家を買うよ
[Verse2]
【歌詞】
If I was a sculptor, heh
But then again, no
Or a man who makes potions in a travelin’ show, oh
I know it’s not much, but it’s the best I can do
My gift is my song and this one’s for you
【和訳】
僕が彫刻家なら…
いや、違うかな
旅の一座で妙薬をつくる男なら
大した事はないけど、それが僕の精一杯なんだ
贈り物は僕の歌で、君のための歌さ
[Chorus]
【歌詞】
And you can tell everybody
This is your song
It may be quite simple, but
Now that it’s done
I hope you don’t mind
I hope you don’t mind that I put down in words
How wonderful life is while you’re in the world
【和訳】
みんなに言いふらしていいよ
これは君の歌だってさ
とてもシンプルだけど
できあがったからさ
気を悪くしないでほしいな
気を悪くしないでほしいな、言葉に綴ったんだ
君が世界にいると人生がどんなに素晴らしいかを
[Verse3]
【歌詞】
I sat on the roof
And kicked off the moss
Well a few of the verses
Well, they’ve got me quite cross
But the sun’s been quite kind
While I wrote this song
It‘s for people like you that keep it turned on
【和訳】
屋根に座って
苔を蹴飛ばした
そう、幾つかの詩が
気に入らなかったんだ
でも、太陽はずっと優しかった
僕がこの歌を作っているあいだね
この歌はそんな光を照らす君みたいな人の為のものさ
[Verse4]
【歌詞】
So excuse me forgettin‘
But these things I do
You see, I’ve forgotten
If they’re green or they’re blue
Anyway, the thing is, what I really mean
Yours are the sweetest eyes I’ve ever seen
【和訳】
忘れてしまって、ごめんね
でも、こういうこと、僕にはよくあるんだ
ほらね、緑色なのか青色なのかも忘れてる
とにかく、つまりね、僕が本当に言いたいのは
君の瞳は今まで僕が見た中で1番可愛いということさ
[Chorus]
【歌詞】
And you can tell everybody
This is the song
(※以下は上記と同様)
【和訳】
みんなに言いふらしていいよ
これが、その歌だってさ
(※以下は上記と同様)
[Outro]
歌詞の意味・文法解説
[Verse1]
if I did, I’d buy a big house where we both could live
もしそうなら、僕らが一緒に住む大きな家を買うよ
did と過去形ですが過去の話ではありません。
仮定法過去と呼ばれるもので、現実に起こる可能性のないこと、現在の事実と反すること、を表現するときに用いられます。
仮定法過去の基本的な形は
If + 主語 + 動詞の過去形, 主語 + would (could / might) + 動詞の原形
です。
このフレーズもこの形ですね。(I’d buy = I would buy)
直前のフレーズの 「お金持ちではない」(I don’t have much money) が事実で、その事実に反して、このフレーズでは「お金持ちならば」(if I did) という仮定の話しをしているわけです。
where 以降は、その前の a big house を修飾しています。
where は関係副詞と呼ばれるものです。
a big house を修飾している where we both could live の中で、where は副詞の働き、つまり動詞 (live) を修飾する働き、をしています。
そして、修飾される a big house (先行詞) と修飾している where 以降を関係付けているので、関係副詞というわけですね。
あえて前のほうか訳すと、以下です。
a big house where we both could live
大きな家、そして、そこに僕らが一緒に住むことができる
文を2つに分けると以下です。
I’d buy a big house. We both could live there.
[Verse2]
If I was a sculptor, heh, but then again, no, or a man who makes potions in a travelin’ show, oh
僕が彫刻家なら…、いや、違うかな、旅の一座で妙薬をつくる男なら
but then again:とはいえ、しかし一方では
potion:飲み薬、妙薬
traveling show:巡業公演
traveling show は各地を巡業する旅芸人の公演、potion はそこで売られる薬、日本で言えばガマの油売りのようなものと思われます。
海外でも同じような催しがあったようです。
※Medicine:薬
おおよそ上記リンクと同じイメージと推測されます。
上記リンクによると中世ヨーロッパに始まり、工業化やテレビ・映画等のほかの娯楽が誕生し次第に数は減っていったようですが、この曲を作詞したバーニー・トーピン (イギリス系アメリカ人) にとっては、記憶に鮮やかに残っていたのかもしれません。
[Chorus]
It may be quite simple, but now that it’s done, I hope you don’t mind
とてもシンプルだけど、できあがったからさ、気を悪くしないでほしいな
now that:今や…だから
now that は何かの状況の変化を受けて、新しい状況の結果や理由を説明する表現です。
「今やA だからB 」という因果関係をあらわします。
mind:…を嫌がる、気にする
I hope you don’t mind that I put down in words how wonderful life is while you’re in the world
気を悪くしないでほしいな、言葉に綴ったんだ、君が世界にいると人生がどんなに素晴らしいかを
put A down (down A):A を書き留める
put down は「書き留める」という意味になり、この場合は他動詞で目的語 をとります。
how 以降が目的語で、長くなる場合はこのフレーズのように文の後ろに置かれます。
in words:
「言葉で、言葉を使って」という意味合いです。
前置詞 in には「…を使って・…によって」といった手段を表すことがあり、例えば以下の例文のような使い方です。このフレーズも同様です。
[Verse3]
Well a few of the verses. Well, they’ve got me quite cross
そう、幾つかの詩が、気に入らなかったんだ
verse:詩
cross:怒って、不機嫌で
動詞 get には第5文型 SVOCで以下の用法があり、このフレーズもこれにあてはまります。
O [人・物] をC [特定の状態・状況] にする
このフレーズでは、they は直前の verses (歌詞)を指していると考えられ、それが “僕” (me)を不機嫌に (cross) した (got) ということです。
なお、ここで cross は形容詞です。
It‘s for people like you that keep it turned on
この歌はそんな光を照らす君みたいな人の為のものさ
turn on:(照明・明かりなど) をつける
冒頭の It は、文脈から1つ前のフレーズの最後の this song “この歌” と考えられます。
that は関係代名詞で people を修飾しています。
people 以降を直訳すると
people like you that keep it turned on
それをつけたままにする君みたいな人
です。
2つ目の it :
turn on は明かりをつけるという意味ですので、少し前の太陽についての以下の歌詞に関連付けて考えると、上記のような和訳になります。
the sun‘s been quite kind
太陽はずっと優しかった
[Verse4]
So excuse me forgettin‘, but these things I do
忘れてしまって、ごめんね、でも、こういうこと、僕にはよくあるんだ
excuse 人 for 名詞: (人) が … することを許す
forget:… を忘れる、思い出せない
ここで forgetting は動名詞です。
me と forgetting の間の for は省略されています。
these things I do :
文脈から these things は “僕” が忘れてしまうことを指していると解釈できます。
these things を使ったよくある言い回しには以下のようなものもあります。
these things と複数形なのは I do と続く動詞の do が現在形で普段から習慣的に行われている行為ならば、一度きりではなく複数あるからです。
these things I do を直訳すると「僕がしているこれらのこと」ですが、ここは強調のために語順が入れ替わり、目的語の these things が前にきて、訳も「こういうこと、僕にはよくあるんだ」のようなニュアンスです。
Anyway, the thing is, what I really mean yours are the sweetest eyes I’ve ever seen
とにかく、つまりね、僕が本当に言いたいのは、君の瞳は今まで僕が見た中で1番可愛いということさ
the thing is:要するに、つまり、重要なことは
the sweetest eyes は前にある以下のフレーズと関連付けるのが、自然と思います。
If they’re green or they’re blue
緑色なのか青色なのか
「green (緑) と blue (青) は何のことだろう?」と聞き手に思わせて、the sweetest eyes (最も可愛い瞳)の箇所で「ああ、なるほと瞳の色のことか」と腑に落ちるという流れですね。
以上です。
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