この記事では、テイラー・スウィフトの名曲『私たちは絶対に絶対にヨリを戻したりしない』の歌詞を英語学習を兼ねて、解説します!
英語の洋楽を聴いていて
この歌詞はどういう意味だろう?
和訳は検索すれば出てくるけれど
何故そういうニュアンスになるんだろう?
そんな風に感じたことはありませんか。
この記事を読んで、そんな疑問を解決して頂ければと思います!
概要
『私たちは絶対に絶対にヨリを戻したりしない』
We Are Never Ever Getting Back Together
『私たちは絶対に絶対にヨリを戻したりしない』 (We Are Never Ever Getting Back Together)は2012年にリリースされたアメリカのシンガーソングライター:テイラー・スウィフト(Taylor Swift) の曲です。
彼女の4枚目のアルバム『RED』に収録されています。
フジテレビのテレビ番組『テラスハウス』の主題歌にもなり、この曲でテイラー・スウィフトを知ったという人も多いのではないでしょうか。
アップテンポな曲で、歌詞の内容はテイラー・スウィフトとその元彼 ジェイク・ギレンホールとの交際の経験をもとに書かれているそうです。
何でも、新曲作成中のスタジオに元彼の友人が訪れて語った恋バナが切っ掛けになり、たった25分で作った曲だとか…。才能のある人はすごいですね。
微妙な女心がチラリとのぞかせる歌詞を、英語学習を兼ねてこの記事で味わってください。
以下、この記事では英語の文法を中心に歌詞を解説します。
歌詞・和訳
Lyrics
[Verse1]
【歌詞】
I remember when we broke up the first time
Saying, “This is it, I’ve had enough”
‘cause like we hadn’t seen each other in a month
When you said you needed space.
(What?)
【和訳】
覚えてるわ、最初に別れたときのこと
言ったよね。「これで最後、もうウンザリ」って
だって1ヶ月会ってなかったのよ
あなたが距離が必要だって言った時にね
(何それ?)
【歌詞】
Then you come around again and say
“Baby, I miss you
and I swear I’m gonna change, trust me”
Remember how that lasted for a day?
I say, “I hate you”, we break up,
you call me, “I love you”
【和訳】
するとあなたはまた戻って来て言うの
「ベイビー、君が恋しいよ
僕は変わるよ、ホントさ、信じてよ」って
はいはい、1日は持ったわね、覚えてる?
「嫌い」って私が言って別れて
「愛してる」ってあなたが電話してくる
[Pre-Chorus1]
【歌詞】
We called it off again last night
But, this time I’m telling you,
I’m telling you
【和訳】
昨日の夜、また別れた
でも、今度こそ言ってやるわ
言ってやるんだから
[Chorus]
【歌詞】
We are never ever ever getting back together
We are never ever ever getting back together
You go talk to your friends,
talk to my friends, talk to me
But we are never ever ever ever
getting back together
Like, ever…
【和訳】
私たちは絶対に絶対にヨリを戻したりしない
私たちは絶対に絶対にヨリを戻したりしない
あなたは自分の友達に話して、そして
巡って、私の友達から話が回ってくる
でも、絶対に絶対にヨリを戻したりしない
絶対よ…
[Verse2]
【歌詞】
I’m really gonna miss you picking fights
And me falling for it, screaming that I’m right
And you would hide away
and find your peace of mind
With some indie record
that’s too much cooler than mine
【和訳】
ホント出来なくなるのは寂しいわ、あなたが喧嘩を売って
私もそれにつられて自分が正しいって叫ぶのがね
それであなたは隠れて
心をなごませるのよね
すてきなインディーズレコードを聞いて
そう、私のよりイケてるヤツ
[Pre-Chorus2]
【歌詞】
You called me up again tonight
But, this time I’m telling you,
I’m telling you
【和訳】
昨日の夜、あなたは電話を掛けてきた
でも、今度こそ言ってやるわ
言ってやるんだから
[Chorus]
上記と同様
[Bridge]
【歌詞】
I used to think that we were forever ever
And I used to say, Never say never...
Huh, so he calls me up and he’s like, “I still love you”
And I’m like… I just…
I mean this is exhausting, you know, like,
We are never getting back together. Like, ever
【和訳】
私達はずっと一緒だって思っていたわ
きっと可能性はある、なんて言ってた時もあった
はああ、彼から電話がくる、「まだ君を愛してる」とか
それで私は、ただ…
もうウンザリ、わかるでしょ
私たちは絶対にヨリを戻したりしない。絶対よ
[Outro]
上記と同様
歌詞の意味・文法解説
[Verse1]
Saying, “This is it, I’ve had enough”, ‘cause like we hadn’t seen each other in a month
言ったよね。「これで最後、もうウンザリ」って、だって1ヶ月会ってなかったのよ
Saying 以降のThis…から …enoughまでは、人の話した言葉をそのまま伝える、いわゆる直接話法です。
過去に自分が言ったことをそのままの言葉で表現しています。
続く’causeから引用符(”)がはずれて地の文になりますが、ここでは引用符がなくても、過去の発言の引用か地の文かの違いは分かります。
hadn’t seen と時制が過去完了形になっているからです。
(そもそも歌なので、耳で聞いたら引用符なんてありませんが…)
過去完了形は、過去のある時点までの動作や状態を表します。
hadn’t seen each other in a month(1ヶ月会ってなかった) の状態だったのは、過去の発言があった時点までのことですから、過去完了形ならば地の文、つまり、現在の話し手が過去を説明している文章だとわかるわけです。
This is it:これで最後だ
This is it は直訳すれば「これはそれだ」ですが、it は、話し手がずっと考えていたこと、探していたことなどを指していて、会話の流れでさまざまな意味になります。
ここの歌詞では、二人の付き合いは「もういい、これで最後だ」という意味でしょう。
This is it は、ほかに会話の流れによって、探しているもの見つけて「まさに、これだ!」、正念場を迎えて「さあ、いよいよだ」といった意味でも使われます。
Remember how that lasted for a day?
はいはい、1日は持ったわね、覚えてる?
how はご存知のとおり①「どんなふうに」という方法・様子の意味ですが、この箇所では、②「…ということ」という意味で接続詞的に使われているととらえられます。
それぞれ直訳すると
①「どんなふうに」という方法・様子の意味
Remember how that lasted for a day?
どんなふうにそれが一日続いたか覚えてる?
②「…ということ」という接続詞的な意味
Remember how that lasted for a day?
それが一日続いたということ覚えてる?
上記①は、一種の修辞疑問文(反語)とみれば、「たった一日も続かなかった」となりますし、②も、口語で感慨をこめた時の物言いの表現なので、「たった一日しか続かなかった」というニュアンスと考えられます。上記の和訳では後者で訳しています。
もちろん、how のあとの that “それ” は直前のフレーズの I swear I’m gonna change (僕は変わるよ) という彼の”言い訳け”を指しています。
なお、上記②は、込み入った事情を物語風の調子で言うときに、このようにhow を that の代わりに使う用法です。(この歌詞では置き換えると that that と接続詞と代名詞のthat が続くことになりますが…)
上記②の用法は remember のほかに、say, talk, tell の後に続いて使われることがあります。
[Pre-Chorus1]
We called it off again last night
昨日の夜、また別れた
call off:(約束などを) 取り消す
call off は約束などを取り消す、断るときに使われます。
call の目的語の it は、人称代名詞です。人称代名詞は文脈から話し手と聞き手の双方がおのずとわかること、もしくは話し手がそう判断したこと、を指します。もちろん上述の This is it の it にも同じことが言えます。
通常、こういった it はあえて日本語に訳さないですが、ここでは it は「二人の恋愛関係」、「つきあっていること」などを指していると考えてよいでしょう。
[Chorus]
We are never ever ever getting back together
私たちは絶対に絶対にヨリを戻したりしない
曲名にもなっている部分の歌詞です。とりあえず長いですね…(笑)。
恋愛リアリティ番組『テラスハウス』の主題歌ではありますが、歌詞の意味からも、結婚式では使ってはNGな曲として挙げられているのをネットで見かけます。気を付けましょう。
閑話休題。
never ever:絶対に〜ない
ever が never を強調しています。
never never と never を繰り返すよりも強く響きます。
ever を続けてnever ever ever と言えば、さらに強調されて曲名の一部にもなっているように「絶対に絶対に」という意味になるわけです。
ever ≒ at any time です。
同様の否定を強調する形としては、not … at all 等があります。
また、否定文のあとに ever を付けて強調することもあります。この曲でもChorus(サビ)の終わりに使われていますね。
get back together は「よりを戻す、仲直りする」という意味です。
You go talk to your friends,
talk to my friends, talk to me
あなたは自分の友達に話して、そして
巡って、私の友達から話が回ってくる
go talk は、動詞のあいだに to もしくは and が省略されています。
これは、go + 動詞 の形で
go + 動詞 :…しに行く
という意味で使われます。会話などでのくだけた表現です。
You go talk to your friends, ① talk to my friends, ② talk to me
上記の①talk の主語は your friends 、②talk の主語は my friends となっていると考えられ、お互いの友人を経由して巡り巡って話が回ってくるわけです。
通常の文法の規則から逸れていると思いますが、韻を踏んだリズミカルなフレーズで言いたいことが伝わってくると思います。
動詞の時制が現在形であることからも習慣的におこるような出来事であると解釈できます。
ちなみに実際、テイラー・スウィフトが別の曲を作成中に、スタジオに訪れた元彼の友人から、二人の関係の近況を聞いたことを切っ掛けにこの曲は誕生したそうです。
[Verse2]
I’m really gonna miss you picking fights
And me falling for it, screaming that I’m right
ホント出来なくなるのは寂しいわ、あなたが喧嘩を売って
私もそれにつられて自分が正しいって叫ぶのがね
miss (人) doing …: (人) が…できなくて寂しい
pick fight:けんかを仕掛ける
fall for … : …につられる、引っかかる
miss の目的語は2つあって、you と me どちらもです。それらを接続詞 and で結んでいます。
また、you は picking の主語。me は falling と screaming の主語です。
I’m really gonna miss you picking fights and me falling for it, screaming that I’m right
miss (人) doing … で、「 … することができなくて寂しい (= 恋しい、懐かしい)」、という意味です。
ただ、注意したいのはここでは miss の前に gonna (=going to) があるので、これから起こるだろう未来のことについて言っているということです。
つまり、この歌詞の時点では、彼女は彼とまだ完全に別れていないと考えていて (=ヨリを戻す可能性があると彼女も思っている(笑) ) 、もしこれからきっぱりと別れてしまったら、けんかが出来なくなってしまって寂しい、と言っています。
【参考例文】
[Pre-Chorus2]
上記と同様
[Chorus]
上記と同様
[Bridge]
I used to think that we were forever ever
And I used to say, Never say never...
私達はずっと一緒だって思っていたわ
きっと可能性はある、なんて言ってた時もあった
used to:以前はよく … したものだった
過去の習慣をあらわす表現で、今はもうしていないという含みもあります。
今ではずっと一緒だなんて思っていない、ということです。
Never say never:可能性はあるよ
never は動詞の前にあれば「決して … でない」の意味。1語で「Never!」と言えば相手の発言に反論して「まさか、そんなことあり得ない」といった意味になるので、直訳すれば
【直訳】
Never say never
あり得ない、なんて決して言うな
そこから転じて「 あきらめないで、まだ可能性はあるよ」といった励ましの言葉として使われます。
I used to say, Never say never. というフレーズは、仲直りして二人の関係をやり直せる可能性はある、と昔は自分を励ましながら思っていた、ということを表現しています。
以上です。
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