この記事では、ベリンダ・カーライルの楽曲『Heaven Is a Place On Earth』の歌詞を英語学習を兼ねて解説します!
好きな洋楽の歌詞で、どんな内容なのか、和訳はネットで検索すれば何種類もヒットするけれど何故そういうニュアンスになるのか疑問に思うことはないでしょうか。
この記事を読んで、そんな疑問を解決して頂ければと思います!
『Heaven Is a Place On Earth』 ( ヘヴン・イズ・ア・プレイス・オン・アース )・・・ベリンダ・カーライル
『Heaven Is a Place On Earth』 ( ヘヴン・イズ・ア・プレイス・オン・アース )はアメリカの歌手 ベリンダ・カーライル (Belinda Carlisle) の曲です。
『Heaven Is a Place On Earth』は彼女のセカンドアルバム『Heaven on Earth』に収録されており、全米・全英のほか各国で1位を獲得した名曲です。
日本でもCMやテレビ番組のテーマ曲と使われ、今でもBGMで聴く機会があると思います。聞いてみると「あ~この曲か!」と曲名は知らなくてもメロディを覚えている人が多いのではないでしょうか。
今も色褪せないポップ・ロックを英語学習と共にご堪能ください!
以下、この記事では英語の文法を中心に解説します。
歌詞の構成・和訳
歌詞
Oh, baby, do you know what that‘s worth?
Oh, heaven is a place on earth.
They say in Heaven, love comes first
We’ll make Heaven a place on earth
Oh, heaven is a place on earth
和訳
ねえ、それがどんな価値があるのか知ってる?
ああ、天国は地上にある場所なのよ
天国では、愛が一番大切なんだって
天国を地上に作るの
ああ、天国は地上にある場所なのよ
歌詞
When the night falls down,
I wait for you,
And to come around
And the world’s alive
With the sound of kids on the street outside
和訳
夜が更けると
あなたを待つわ
そして、あなたが現れて
世界が活気づく
外の通りの子供たちの声と共に
歌詞
When you walk into the room
You pull me close and we start to move
And we’re spinnin’ with the stars above
And you lift me up
In the wave of love
和訳
あなたは部屋に足を踏み入れると
私を引き寄せて、二人は動き出し
頭上の星と共に回るの
そして、あなたは私の心を高鳴らせてくるわ
愛の波の中で
※上記の繰り返し
歌詞
When I feel alone,
I reach for you
And to bring me home
When I’m lost at sea
I hear your voice,
And it carries me
和訳
孤独を感じるとき
あなたに手を伸ばす
すると、家に連れて帰ってくれるの
海で迷っても
あなたの声が届いて
私を運んで行ってくれる
歌詞
In this world we’re just beginning
To understand the miracle of living
Baby, I was afraid before
I’m not afraid, any more
和訳
この世界で二人はまだ
生きることの奇跡を理解し始めたばかり
ねえ、前は怖がっていたけれど
私はもう恐れたりしないわ
※上記の繰り返し
※上記の繰り返し
※上記の繰り返し
歌詞・文法・意味 解説 『Heaven Is a Place On Earth』
サビ [Chorus]
do you know what that‘s worth?
それがどんな価値があるのか知ってる?
worth: …の価値がある
worth は品詞が、前置詞なのか、形容詞なのか議論のある単語です。品詞の分類はさておきその使い方はしっかり抑えておきましょう。平叙文・肯定文では以下のようになります。
肯定文の用法をちゃんと分からないと疑問文をうまく把握できないことがあるのでしっかり覚えましょう。
さて、この歌詞では間接疑問文となっていて
that’s worth XXXX.
それは XXXX という価値がある
という肯定文における XXXX の部分が疑問詞 what に置き換わって文頭にきているわけです。
ここで上記の例文でいえば、this painting, Kyoto にあたるのが that で、
that が価値の対象になるものです。
このことを見逃してはいけません。
つまり、do you know what that’s worth? の直訳は
「あなたはそれ(= that が指すもの)が何の価値があるか知っていますか?」
となります。
では、” that が指すもの ” は何なのでしょう?
that は指示代名詞で、話し手からみて距離的に、心理的に遠いものを指す言葉ですが、
that は、すでに述べられた文の内容を指す言葉でもあります。
これが、この歌詞における that の用法でしょう。
では、「すでに述べられた文」とは何でしょう? 冒頭の時点では意味不明です。しかし、この that は歌詞・曲 の中で使われているのですから、
Aメロ ⇒ Bメロ ⇒ サビ ⇒ …
といった構成になることを踏まえれば
”that が指すもの” (= すでに述べられた文 ) は、Aメロ、Bメロ で語られる内容です。
つまり、この曲は冒頭のサビで、「that ってなんだ?」 と聞き手に思わせて、曲が進むにつれて Aメロ・Bメロの歌詞の展開を知ったあとに、改めてサビを聞いて、「ああ、なるほどね。」と聞き手が合点がいくという構成になっているわけです。
heaven is a place on earth
天国は地上にある場所なのよ
曲名にもなっているフレーズです。
place (場所) の前に不定冠詞 a があるので、特定された場所ではなく、不特定の「とある場所」ということです。
on Earth: 地上の、地球上の、この世の
a place on earth は「地上にある不特定の とある場所」で、それが天国 ( heaven ) なんだ、という表現です。
天国 ( heaven ) と 地上 (earth) という対局する意味の言葉を、ひとつのフレーズの中でうまく組み合わせていますね。
They say in heaven, love comes first
天国では、愛が一番大切なんだって
they say: … らしい、… と言われている
直訳すれば「彼らは … と言っている」ですが、英語では「彼ら」が何を指すのか不明確な状況でも they say という表現になって、世間や社会・自分の周囲の人たちを指すことがあり、この歌詞もその用法です。
日本語では主語をよく省略しますが、英語は基本的に主語と動詞がセットとなるので、they say のような言い方になるわけです。
they say は、「… らしい」「どうやら…のみたい」という人づてや社会一般の情報などを話すときに使われるカジュアルな表現です。
なお、say の従属節が in heaven … comes first です。that を補えば
They say ( that ) in heaven, love comes first
となり、緑字のthat 以下が say (言ったこと) の内容です。
they say の言い換えとして、 it is said that … がありますが、前者はカジュアルで話し言葉に使われ、後者はフォーマルな書き言葉です。
come first:一番大切である、何よりも優先である
そのまま love comes first を訳すと「愛が初めに来る」ですが、上記のような意味で使われます。以下のように使います。簡潔で印象に残る表現です。
We’ll make heaven a place on earth
天国を地上に作るの
上記の make は第5文型 SVOC の用法で、「S が O を C にする」という意味になります。
S:主語、V:動詞、O:目的語、C:補語は以下で
S:主語 We
V:動詞 make
O:目的語 heaven
C:補語 a place on earth
「 heaven (天国) を a place on earth (地上の場所) にする」
という文意です。
Aメロ1 [Verse1]
I wait for you and to come around
あなたを待つわ。そして、あなたが現れて
come around:ぶらっと訪れる、回ってくる
come の前にある不定詞 to は、「結果」を表す副詞的用法と思われます。
「結果」を表す不定詞 to は「… する結果、(結局) … する」という表現です。
そのうえで、このフレーズを訳すと
「わたしが待っていると、その結果、とうとうあなたが現れる」
という意味でしょう。
「結果」を表す不定詞の用法は、grow up to be … , only to , wake up to … など特定のパターンがありますが、この歌詞では I wait for you の後に and という等位接続詞を入れることで「結果」の用法になっていると考えます。
Bメロ1 [Pre Chorus1]
You pull me close and we start to move
私を引き寄せて、二人は動き出し
pull someone close: (人) を引き寄せる
And you lift me up
そして、あなたは私の心を高鳴らせてくるわ
lift up: (沈んだ気分) を持ち上げる
lift up は物理的にモノを持ち上げるというそのままの意味もありますが、「気分を持ち上げる」、「高揚させる」、「元気づける」という意味でも使われます。
Aメロ2 [Verse2]
I reach for you and to bring me home
あなたに手を伸ばす、すると、家に連れて帰ってくれるの
reach for: … に手を伸ばす、手に取る
実際にあるモノに手を伸ばす場合だけでまく、抽象的なものを手に入れようとする場合にも使われます。また、単に「取る」という意味ならば take や pick up で表現できますが、 reach for はちょっと遠くだったり、取りにくい物に手を伸ばして取る、というニュアンスがります。
bring:連れて来る(行く)
bring は「話し手と聞き手のいる場所の方へ移動させる」という場合に使われる言葉です。
実際に話し手・聞き手がいなくても頻繁に居る場所への移動も bring を使えます。
逆の意味 (方向性) になる動詞は、take で
take は「話し手と聞き手がいない別の場所へ移動させる」という場合に使われます。
さて、この歌詞 bring me home では、home のように頻繁に居る場所・いつも居る場所に連れ帰ってくれるという意味合いになります。
もし、bring ではなく take に入れ替えて take me home とすると、「 I 」( 私 ) も「 you 」(あなた) もその時点では居ない home ( 家 ) に連れて行く、送っていくという意味合いです。
take より bring のニュアンスの方がほっこり ( ? ) しますよね。
When I’m lost at sea
海で迷っても
lost at sea:海で迷子になる、海で行方不明になる
「航海中に」という意味になる場合には sea は無冠詞になります。
Bメロ2 [Pre Chorus2]
In this world we’re just beginning to understand the miracle of living
この世界で二人はまだ生きることの奇跡を理解し始めたばかり
begin to: …し始める
start と置き換えても同じで「…し始める」という意味です。但し、begin の方がフォーマルな書き言葉に使われ、start はカジュアルで会話で使われることが多いです。
miracle:奇跡
英語学習のおすすめ書籍
『Heaven Is a Place On Earth』の歌詞を英語学習を兼ねて、解説してきましたが、いかがでしたでしょう。
最後に、よく聞かれるので、筆者が英語学習にこれまで特によく使ったおすすめ書籍をご紹介します。
どれも定番です。
この記事のような解説を書く際にも参照することがあります。
まず英文法の基礎はこちら。
昔はフォレストという名前でしたが、いつの間にか名前が変わっていましたね。
さらに詳細な英文法書。
以上です。
コメント