作品概要
ホームレスのようなどん底の生活から這い上がり成功を収めた実在の人物の半生を描いた映画。主人公のクリス・ガードナーとその息子の役を、ウィル・スミス親子が共演し話題になりました。
原題「The Pursuit of Happyness」は、アメリカ独立宣言の「幸福の追求(The pursuit of happiness)」によるものですが、幸福の意味となる英語の正しい綴りは「happiness」で、原題の「Happyness」は i が y となって食い違っています。これは息子の託児所の落書きのスペルミスをわざとタイトルにしたそうです。
とにかく主人公クリスはタフで、行動力があります。努力や能力 以外に、成功の要因はその生来の「強さ」にもあるように思えました。どんな状況でも這い上がっていくその強さを観ていると勇気づけられます!
ウィル・スミスと、彼の実子が初共演!ホームレスから億万長者へとアメリカンドリームを実現させた親子の実話に基づいて描かれた奇跡の感動作!
出典:Amazon
基本情報
アメリカ映画 2006年公開 (117分)
原題:The Pursuit of Happyness
舞台:1981年 サンフランシスコ
出演:
俳優 | 役名 |
---|---|
ウィル・スミス Will Smith | クリス・ガードナー Chris Gardner |
ジェイデン・スミス Jaden Smith | クリストファー Christopher |
タンディ・ニュートン Thandiwe Newton | リンダ Linda |
ほか
語彙の傾向
- Main:ビジネス、夫婦関係、家族、子育て 関連
- Sub:株、オフィスワーク、金融、子供、医療、賃貸 関連
英語表現等
息子とのバスケットボール
0:53:42 ~ 0:55:47
バスケットボールをしながら、息子の将来の夢について話す場面です。
Chris : Then we’re gonna go sell a bone density scanner. How about that? Wanna do that?
Christopher : No
⇒ クリス『それから (バスケットボールをしてから) 機械を売りに行くぞ。どうだ? 行きたいか? 』
クリストファー『行きたくない』
主人公のクリスが、証券会社の仕事(養成コース)が休みの日に、医療機器のセールスに一緒に連れて行こうとする場面です。遊び盛りの息子クリストファーは嫌そう、やっぱりバスケットボールの方が好きなのです。
bone density scanner:骨密度スキャナー
wanna:
want to の省略形
”Wanna do that” は先頭の主語 (you) が省略されています。口語では主語が明確な場合にはこのセリフのように省略されることがあります。
Christopher : I’m going pro.
Chris : Yeah, I don’t know, you know. Uh…you’ll probably be about as good as I was. That’s kind of the way it works, you know.
⇒ クリストファー『僕はプロになるぞ』
クリス『どうだろうな。まあ、たぶん俺と同じ程度には上手くなるさ。世の中そういうもんだ』
バスケットボールをしながら、楽しそうに将来プロになる夢を話す息子ですが、父親のクリスはあんまり乗り気ではありません。
go pro:プロになる、プロとしてやっていく
proは、professionalの省略形で主に話し言葉で用いられます。
That’s kind of the way it works:
この文の That が指すのは前文 「you’ll probably be about as good as I was.」、it が指すものは色々あてはまりそうですが、例えば「世の中」や「スポーツが上手になること」でしょう。
それを踏まえて直訳すれば
「同じ程度に上達するってことが (That’s)、世の中が (it) 機能する (works) 方法(the way) の種類 (kind of)だ。」
となって、要するに上記の「世の中そういうもんだ」といったニュアンスになります。
Chris : And I was below average. So you’ll probably ultimately rank somewhere around there, you know, so… I really… You’ll excel at a lot of things, just not this. So I don’t want you out here shooting this ball around all day and night, all right?
⇒ 『俺はバスケは人並み以下だった。だから、たぶんお前も結局その辺どまりだ。ほんとにな、お前は得意なことがいっぱいあるだろ。ただ、これ (バスケ) じゃない。だからな、四六時中、おもてでボールをシュートするのはやめろ。いいな?』
クリスはプロのバスケットボールプレイヤーになりたいという息子クリストファーの夢を否定していまします。自分ができなかったから、お前もダメなんだ、という理由で。
それを聞いたクリストファーは、ボールを投げ出して、バスケを止めて黙ってしまいます。
それを見たクリスは、自分が言ってしまったことが息子の心に今後大きな影響を与えるかもしれないと気付きます。
ultimately:結局のところ、究極的に、つきつめていくと
rank:順位を占める
上記セリフでは、親であるクリスと同じように人並み以下のあたり(somewhere around there )の順位になる(rank)というこですね。
excel:得意とする、優れている
all day and night:四六時中
Chris : Hey. Don’t ever let somebody tell you… you can’t do something. Not even me. All right?
⇒ 『おい。お前が何かをできない、なんて誰からも絶対言わせるな。俺からもだ。わかったな。』
いきなり、直前に自分が言ったことを否定しています。
自分の言ったことを訂正するのは、時に勇気が要ることです。そしてそれを適切に表現することは難しい場合が多いです。人を教える立場や、取り纏め役となると、必ずそういった状況に迫られる機会が増えます。
実話を元にした映画ですが、主人公がそういうリーダーの資質のある人物であることが伝わってきます。
ever:(否定文で) 絶対に … ない、決して … ない
let:… させる
使役動詞で let + 目的語 + 動詞原形 として、「… (目的語) に (動詞原型) をさせる」という意味になります。
tell you… you can’t do something:
ここで you が二重になっていますが
もちろん最初の you が tell の目的語、二つ目が do の主語です。
直接話法とも、2つの you の間に that が省略された間接話法ともとれる文と思います。
直接話法では tell よりも say を使うことが一般的ですし、一方、誰に対して話すか(このセリフの場合は you )を明確にする場合には、 tell が使われることが多いです。
Chris : You got a dream… you gotta protect it. People can’t do something themselves, they wanna tell you you can’t do it.
⇒ 『夢があったら、それを守るんだ。人は自分が何かできないことがあると、他の誰かにお前もできないんだって言いたくなるんだ』
クリスの伝えいたことが、息子のクリストファーに伝わるとよいですね。
got:
= have got = have
ここでの got は、その前に have が省略されています。
have got は、過去を表すものではなく、現在形の have と同じ意味で、「持っている」ということです。
アメリカ英語では、このセリフのように have got の have が省略されて、got だけになることがあるようです。
gotta:
= ‘ve got to = have to
「… しなければならい」という have to と同意ですが、くだけた表現です。have to のほうがフォーマルな表現です。
なお、文法的にどのような規則になるかはわかりませんが、意味的にみて
You got a dream.
(夢があったら)
は 続く you gotta protect it. に対する副詞節(文頭で if で省略)
People can’t do something themselves
(人は自分が何かできないことがあると)
は続く they wanna tell you you can’t do it. の副詞節になります。(文頭で when を省略)
Chris : If you want something, go get it. Period.
⇒ 『何か欲しければ、取りに行け。以上だ』
go get:取りに行く
会話で使われる表現です。go and get の and を省略しています。
Period: 以上、おしまい (話の終わりを強調する表現)
以上です。
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