この記事ではクリスマスの定番、マライア・キャリーの名曲『All I Want for Christmas Is You』の歌詞を英語学習を兼ねて、解説します!
英語の洋楽を聴いていて
この歌詞はどういう意味だろう?
和訳はネットで検索すれば出てくるけれど
何故そういうニュアンスになるんだろう?
そんな風に感じたことはありませんか。
この記事を読んで、そんな疑問を解決して頂ければと思います!
概要
『All I Want for Christmas Is You』
恋人たちのクリスマス
『All I Want for Christmas Is You』 (邦題:恋人たちのクリスマス)はアメリカのシンガーソングライター、マライア・キャリー(Mariah Carey) の曲です。
『Hero』などと共に、マライアキャリーの代表曲の一つです。
1994年にリリースされ、クリスマスの定番になりました。
もう30年ほど昔の曲ですが、今でもクリスマスソングとして流れていますから、若い人もメロディを知っていると思います。
邦題は「恋人たちのクリスマス」ですが、曲名を直訳すれば「クリスマスに欲しいのはあなただけ」という意味です。
クリスマスソングですが、レコーディングされたのは真夏で、グラミー賞受賞者で音楽プロデューサーのウォルター・アファナシェフと一緒に、なんとわずか15分でメロディを書き上げたのだとか。
日本ではドラマ『29歳のクリスマス』(1994年放送)の主題歌としてこの曲が使われ、国内でのヒットにつながり、マライアキャリーの人気を押し上げました。
以下、この記事では英語の文法を中心に歌詞を解説しますが、クリスマスソングならではの言葉が登場しますのであわせて解説していきます。
歌詞・和訳
『All I Want for Christmas Is You』
[Intro]
【歌詞】
I don’t want a lot for Christmas
There is just one thing I need
I don’t care about the presents
Underneath the Christmas tree
I just want you for my own
More than you could ever know
Make my wish come true
All I want for Christmas is you, yeah
【和訳】
クリスマスに多くは望まない
必要な事はただひとつ
プレゼントなんて気にしないわ
クリスマスツリーの下にあるようなね
ただあなたを自分のものにしたいのよ
あなたが考えている以上にね
願いを叶えて
私がクリスマスに欲しいのはあなたただけ
[Verse1]
【歌詞】
I don’t want a lot for Christmas
There is just one thing I need (And I)
Don’t care about the presents
Underneath the Christmas tree
I don’t need to hang my stocking
There upon the fireplace
Santa Claus won’t make me happy
With a toy on Christmas Day
【和訳】
クリスマスに多くは望まない
必要な事はただひとつ
プレゼントなんて気にしないわ
クリスマスツリーの下にあるようなね
靴下を吊す必要なんてない
暖炉の上にね
サンタクロースじゃ喜べない
クリスマスのおもちゃを持ってきてもね
[Chorus1]
【歌詞】
I just want you for my own
More than you could ever know
Make my wish come true
All I want for Christmas is you
You, baby
【和訳】
ただあなたを自分のものにしたいのよ
あなたが考えている以上にね
願いを叶えて
私がクリスマスに欲しいのはあなたただけ
あなたなのよ
[Verse2]
【歌詞】
Oh, I won’t ask for much this Christmas
I won’t even wish for snow (And I)
I’m just gonna keep on waiting
Underneath the mistletoe
I won’t make a list and send it
To the North Pole for Saint Nick
I won’t even stay awake to
Hear those magic reindeer click
【和訳】
クリスマスに多くを求めたりなんてしない
雪だって要らないわ
ただ待ち続けるわ
ヤドリギの下で
欲しいものを書いて送ったりしない
北極の聖ニコラオスに
寝ずに起きていたりもしないわ
あの魔法のトナカイの足音を聞くためにね
[Chorus2]
【歌詞】
‘Cause I just want you here tonight
Holding on to me so tight
What more can I do?
Oh baby, all I want for Christmas is you
You, baby
【和訳】
だって今夜ただあなたにいてほしいのだもの
私をきつく抱きしめてよ
それ以上、私に何ができるの?
ああ、私がクリスマスに欲しいのはあなただけ
あなたなのよ
[Bridge]
【歌詞】
Oh, all the lights are shining
So brightly everywhere (So brightly, baby)
And the sound of children’s
Laughter fills the air
And everyone is singing
I hear those sleigh bells ringing
Santa, won’t you bring me the one I really need?
Won’t you please bring my baby to me?
【和訳】
ああ、すべての灯りが輝いて
どこもかしこも明るい
子供たちの笑い声が
空気を満たしている
みんなが歌っているわ
そりの鈴の音が聞こえる
サンタ、私が本当に必要なものをくれないの?
私の大切な人をどうか連れてきて
[Verse3]
【歌詞】
Oh, I don’t want a lot for Christmas
This is all I’m asking for
I just wanna see my baby
Standing right outside my door
【和訳】
クリスマスに多くは望まない
これが私が望むすべて
私の大切な人にただ会いたいの
家のドアのすぐ前に立っているね
[Chorus1]/[Outro]
上記と同様
歌詞の意味・文法解説
『All I Want for Christmas Is You』
[Intro]
I just want you for my own
ただあなたを自分のものにしたいのよ
own:自分自身のもの
own は「自分の」という意味の形容詞ですが、代名詞的に使われて「自分自身のもの」という意味にもなります。
ここでの前置詞 for は、属性・認識を表して「…として」という意味と捉えることができます。
All I want for Christmas is you
私がクリスマスに欲しいのはあなたただけ
曲名にもなっているフレーズです。
先頭の all を I want for Christmas の関係詞節が修飾しています。
all の後に関係代名詞の that が省略されていて、直訳すると以下です。
All (that) I want for Christmas is you
私がクリスマスに欲しい全てのものは、あなたです
「欲しい全ては、あなた」なのですから、言い換えれば、「欲しいのは、あなただけ」となります。
このフレーズの All I want … のような形では、同様に「…だけ (= only)」の意味になり、以下がその例文です。
[Verse1]
Santa Claus won’t make me happy with a toy on Christmas Day
サンタクロースじゃ喜べない、クリスマスのおもちゃを持ってきてもね
使役動詞 make による第5文型 SVOC の文です。
Santa Claus (S) [won’t] make (V) me (O) happy (C)
S が O を C という状態に (V) する [しない]
補語 C にこのフレーズのような形容詞 (happy) の他にも動詞原形、分詞、名詞が使われます。
どの場合でも、「O (目的語) 」と「C (補語) 」がイコールの関係になるのがSVOCの文型の特徴です。
[Verse2]
Underneath the mistletoe
ヤドリギの下で
mistletoe:ヤドリギ
クリスマスで装飾に使われる植物です。ヤドリギ (宿り木)。
ヨーロッパでは「ヤドリギの下に立っている女の子にはキスをしてもいい」という言い伝えがあるそうです。
この歌詞でも、そんな言い伝えをふまえて、クリスマスにヤドリギの下で意中の人を待っているわけですね。ロマンティックです。
なお、Underneath は「…の下で / …の下に」という意味の前置詞で、under よりも「覆われて・隠れて」というニュアンスがより強調されます。
To the North Pole for Saint Nick
北極の聖ニコラオスに
Saint Nick:聖ニコラオス(ニコラウス)
サンタクロースのモデルとなったと言われる人物です。
キリスト教の司教のニコラウスが真夜中に窓から投げ入れた金貨が、暖炉に下げられた靴下に入り、この金貨のおかげで貧しい家族は娘の身売りを避けられた…
このような逸話が由来でサンタクロースの伝承が生まれたそうです。(Wikipedia参照)
I won’t even stay awake to hear those magic reindeer click
寝ずに起きていたりもしないわ、あの魔法のトナカイの足音を聞くためにね
reindeer:トナカイ
click:カチッという音
カチッとかコツンといった音を表現した言葉です。
いわゆる擬音ですね。
ここでは、トナカイが歩くときの音を表現しています。
トナカイは歩くとカチカチと不思議な音がするそうです。
その大きなひづめのせいか、歩き方や脚のつくりのせいか、カチカチとトナカイが鳴らす音をこの歌詞では、reindeer click と言っているわけです。
(読みの通り、パソコンのマウスのクリックのことでもあります。)
[Chorus2]
What more can I do?
それ以上、私に何ができるの?
このフレーズはいわゆる反語で、強調するために言いたいことと反対の内容を疑問の形で表現しています。
直訳すると
What more can I do?
どんなそれ以上のことを、私ができるっていうの?(できるわけない)
what は疑問形容詞「どんな、何の」、more は名詞で「それ以上のこと」という意味です。
more「それ以上のこと」の“それ”が何を指すかは文脈によりますが、少し前のフレーズ、そして曲名を言い換えて表現しているとも捉えることができます。
【少し前のフレーズ】
I just want you here
今夜ただあなたにいてほしいのだもの
【曲名】
All I want for Christmas is you
私がクリスマスに欲しいのはあなただけ
[Bridge]
I hear those sleigh bells ringing
そりの鈴の音が聞こえる
sleigh:(馬・鹿・トナカイに引かせる)そり
sleigh は馬が引くような大きめのそりです。
一方、子供が遊びに使ったり犬が引くような小さいそりは sled と言います。
- sleigh
-
馬が引くような大きめのそり
- sled
-
子供が遊びに使ったり犬が引くような小さいそり
[Verse3]
I just wanna see my baby standing right outside my door
私の大切な人にただ会いたいの、家のドアのすぐ前に立っているね
standing と stand の~ing 形の現在分詞がありますが、この standing の主語、つまり誰がドアの前に「立っている」のかは、二通り考えることができます。
I (私) が stand の主語の場合:
この場合、前の文を standing 以降で補足して説明していることになります。
つまり、大切な人に会いたいと思いつつ、自分自身が家のドアのところ立っている (立ちながら待っている) というような文意です。
I just wanna see my baby, standing right outside my door
私の大切な人にただ会いたいの、(私は) 家のドアのすぐ前に立って待っているわ
これは、いわゆる分詞構文と呼ばれるものです。
分詞構文は、副詞的に文の情報を補足する分詞句のことで、原則、補足される文と分詞句の主語は一致します。
my baby が stand の主語の場合:
直前の my baby (私の大切な人) が standing の主語ならば、”you” つまり、「恋人」が家のドアのすぐ外に立っていて、そんな「恋人」に会いたい、ということです。
I just wanna see my baby standing right outside my door
私の大切な人にただ会いたいの、家のドアのすぐ外に立っているあなたにね。
これは現在分詞 standing 以降が my baby を修飾していると捉えているわけです。
この場合には、想像を膨らませれば、待ちわびていた恋人がとうとう来訪して、ドアの前で呼び鈴やノックをしたようなところをイメージできると思います。
以上です。
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