この記事では、マドンナの名曲『La Isla Bonita』の歌詞を英語学習を兼ねて、解説します!
英語の洋楽を聴いていて
この歌詞はどういう意味だろう?
和訳は検索すれば出てくるけれど
何故そういうニュアンスになるんだろう?
そんな風に感じたことはありませんか。
この記事を読んで、そんな疑問を解決して頂ければと思います!
『La Isla Bonita』 (ラ・イスラ・ボニータ)
『La Isla Bonita』 (ラ・イスラ・ボニータ)はアメリカのシンガーソングライター、女優の 「マドンナ」(Madonna) の曲です。
1987年にリリースされ、歌詞の随所のスペイン語がちりばめられたラテンの雰囲気が全面に押し出された曲です。
PVも印象的で、「簡素な白いドレス」と「真っ赤な情熱的なドレス」をまとった女性をマドンナが演じています。
前者は現実の、後者は夢のなかの歌い手の姿を現しているのだと思います。
窓から外を眺めて涙をこぼし祈りを捧げる白いドレスの女性は、カトリックの教育を受けてきた幼少期のマドンナに結びついているのかもしれませんね。
以下、この記事では英語の文法についても交えて歌詞を解説します。
歌詞・和訳
[Intro]
【歌詞】
Como puede ser verdad
【和訳】
なぜ真実だと言えるの?
[Verse1]
【歌詞】
Last night I dreamt of San Pedro
Just like I’d never gone, I knew the song
A young girl with eyes like the desert
It all seems like yesterday, not far away
【和訳】
昨夜サン・ペドロの夢をみたの
行ったことはないみたい、その歌は知っていたわ
砂漠のような瞳の少女
まるで昨日のことのよう、そんな昔じゃないわ
[Chorus]
【歌詞】
Tropical the island breeze, all of nature wild and free
This is where I long to be, La Isla Bonita
And when the samba played, the sun would set so high
Ring through my ears and sting my eyes, your Spanish lullaby
【和訳】
熱帯の島のそよ風、自然のすべてが野性的で自由
これが私の望んでいた場所、美しい島
サンバの調べがながれると、太陽が高く昇る
私の耳に響き、目を射す、あなたのスペインの子守唄
[Verse2]
【歌詞】
I fell in love with San Pedro
Warm wind carried on the sea, he called to me
Te dijo, “Te amo”
I prayed that the days would last, they went so fast
【和訳】
サン・ペドロに恋をしたの
海を渡る暖かい風、彼が私に呼び掛けた
あなたに「愛してる」と
その日々が続くように祈ったのよ、すぐに過ぎて行ったわ
[Chorus]
※上記の繰り返し
[Bridge]
【歌詞】
I want to be where the sun warms the sky
When it’s time for siesta, you can watch them go by
Beautiful faces, no cares in this world
Where a girl loves a boy, and a boy loves a girl
【和訳】
太陽が空を温める場所にいたい
シエスタに、太陽も空も過ぎていくのが見える
美しい顔、この世界に気掛かりもない
少女が少年を愛する場所、そして少年が少女を愛する場所
[Pre-Chorus]
【歌詞】
Last night I dreamt of San Pedro
It all seems like yesterday, not far away
【和訳】
昨夜サン・ペドロの夢をみたの
行ったことはないみたい、その歌は知っていたわ
[Chorus] ×2
※上記の繰り返し
[Outro]
歌詞・意味・文法解説
『La Isla Bonita』
[Verse1]
Last night I dreamt of San Pedro
昨夜サン・ペドロの夢をみたの
dream of: … の夢を見る
dreamt は、動詞 dream (夢を見る) の過去形です。
動詞で、dream of … となる場合、「眠っていて夢をみる」、「将来などに何かすること夢に描く」、というどちらの意味にもなります。
どちらの意味になるかは、文脈から判断することになりますが、この曲『La Isla Bonita』では、前者の睡眠中の夢でしょう。
San Pedro:サン・ペドロ
サン・ペドロという地名は世界各地にありますが
この曲に登場するサン・ペドロは中央アメリカのベリーズという国にある町のようです。
詳しくは[Chorus]で解説します。
[Chorus]
This is where I long to be, La Isla Bonita
これが私の望んでいた場所、美しい島
long to:… することを切望する
La Isla Bonita:
この歌のタイトルでもある言葉ですが
『La Isla Bonita』はスペイン語で、「美しい島」(The beautiful island) という意味です。
この「美しい島」とは、中央アメリカのベリーズという国にあるアンバーグリスキーという島のことだと言われています。
アンバーグリスキーはカリブ海に浮かぶ島で、この曲名と同じく「Isla Bonita (美しい島) 」と呼ばれているからです。
また、このアンバーグリスキーという島にある町が「サン・ペドロ」です。
ただし、当のマドンナ本人は特定の場所を指してはいないと言っているそうです。
lullaby:子守歌
[Verse2]
Warm wind carried on the sea, he called to me, Te dijo, “Te amo”
海を渡る暖かい風、彼が私に呼び掛けた、あなたに「愛してる」と
carry:伝わる、飛ぶ
he called to me, Te dijo, “Te amo”:
この箇所の he (彼) というのは誰を指しているのでしょう。
後続のTe dijo, “Te amo” も、この曲の各所にちりばめられているのと同様にスペイン語です。
スペイン語で、風 (wind) は viento で、これは男性名詞になることをふまえれば、he (彼) は、この風を指しているともとれると思います。
he (彼) = warm wind (暖かい風)
Te dijo, “Te amo” は、スペイン語で英訳すれば「He told you, “I love you.”」となるようです。
[Chorus]
※上記の繰り返し
[Bridge]
When it’s time for siesta, you can watch them go by
シエスタに、太陽も空も過ぎていくのが見える
siesta:シエスタ、昼寝 (スペイン語)
watch … go …:
この watch は知覚動詞という用法で
知覚動詞 (watch) + 目的語 (them) + 原形 (go)
の形をした文で
動くものや起こっていることを注意深く見る
ということです。
また、ここで代名詞 them が指すものは、文脈から前文の
where the sun warms the sky
太陽が空を温める場所
にあるthe sun (太陽) と the sky (空) と解釈しています。
them = the sun (太陽) と the sky (空)
you は誰を指している?:
you can watch them go by
太陽も空も過ぎていくのが見える
youは「あなた」という意味の代名詞で、総称的に一般的な人を指して「人は(誰でも)」という意味であったり、特定の誰かを指しているのかもしれませんが、この曲では解釈によっては
you は、人間でなく、 Isla Bonita (美しい島) のことを指しているのかもしれません。
[Verse2]の解説のように、Te dijo, “Te amo” は、風が、”I love you.”と言っているとして、風 (viento) が男性名詞なのに対して、島 (Isla) は女性名詞で、風が島に語り掛けているともとれますし
(スペイン語では、男性名詞は語尾が “o”、女性名詞は語尾が “a” となるそうです)
[Verse1]にあるyour Spanish lullaby「あなたのスペインの子守歌」についても、子守歌を歌うのはどちらかと言えば、男性よりも女性 (母親) に似合います。
また、上記のようにthe sun (太陽) と the sky (空) を見る (watch) ということは、島 (自然) を人間に見立てたものとして捉えることもできると思います。
そう捉えれば、
この曲全体を通して、美しい島 (La Isla Bonita) に対する憧れを唄っているということですね。
しかしながら、当時マドンナはスペイン系の俳優ショーン・ペンと結婚しており、純粋な南国の島への憧れだけではないと考えられるのも、この曲の味わいのあるところだと思います。
英語学習のおすすめ書籍
『La Isla Bonita』の歌詞を英語学習を兼ねて、解説してきましたが、いかがでしたでしょう。
最後に、よく聞かれるので、筆者が英語学習にこれまで特によく使ったおすすめ書籍をご紹介します。
どれも定番です。
この記事のような解説を書く際にも参照することがあります。
まず英文法の基礎はこちら。
昔はフォレストという名前でしたが、いつの間にか名前が変わっていましたね。
さらに詳細な英文法書。
以上です。
コメント