この記事では、アヴリル・ラヴィーンの『Sk8er Boi』の歌詞を英語学習を兼ねて、解説します!
英語の洋楽を聴いていて
この歌詞はどういう意味だろう?
和訳はネットで検索すれば出てくるけれど
何故そういうニュアンスになるんだろう?
そんな風に感じたことはありませんか。
この記事を読んで、そんな疑問を解決して頂ければと思います!
概要
『Sk8er Boi』
スケーター・ボーイ
『Sk8er Boi』 (スケーター・ボーイ)はカナダ出身のシンガーソングライター、アヴリル・ラヴィーン(Avril Lavigne) の曲です。
デビュー・アルバム「Let Go」からの2枚目のシングルで、現在までに彼女の最もヒットしたシングル。
曲名の「Sk8er Boi」 は「Skater Boy」(スケーター・ボーイ) の言葉をもじった表現です (詳細は下記)。
アヴリル・ラヴィーンのポップでパワフルな魅力の詰まった曲です。
“気取った友人の影響でスケボー少年を振った少女が、数年後にMTVで活躍する彼を見る…。彼女は彼の本質を見抜けなかった”
このような”物語”を歌詞にした曲なのですが、MTV(音楽番組)で活躍するスケボー少年はアヴリル・ラヴィーン自身にダブらせて見ることができそうですね。
この記事でその”物語”をさらに味わって頂ければうれしいです。
以下、この記事では英語の文法を中心に歌詞を解説します。
歌詞・和訳
Lyrics
[Verse1]
【歌詞】
He was a boy
She was a girl
Can I make it anymore obvious?
He was a punk
She did ballet
What more can I say?
【和訳】
彼は男の子で
彼女は女の子だった
もうはっきりしてるでしょ
彼はパンクロッカーで
彼女はバレエをしてた
これ以上、何が言えるの?
【歌詞】
He wanted her
She’d never tell
Secretly she wanted him as well
But all of her friends stuck up their nose
They had a problem with his baggy clothes
【和訳】
彼は彼女が好きで
決して言わないけれど
彼女も彼がひそかに好きだった
でも彼女の友達はみんなお高くとまっていて
彼のダボダボの服がダメだってさ
[Chorus]
【歌詞】
He was a skater boy
She said, “See you later, boy”
He wasn’t good enough for her
She had a pretty face but her head was up in space
She needed to come back down to earth
【和訳】
彼はスケーターボーイ
彼女は言った「またね!」
彼じゃ彼女は満足できなかった
顔は可愛いけど彼女は頭が宙に浮いていて
地に足をつけなきゃいけなかったのよ
[Verse2]
【歌詞】
Five years from now, she sits at home
Feeding the baby, she’s all alone
She turns on TV, guess who she sees?
Skater boy rockin’ up MTV
【和訳】
それから5年後、彼女は家で座っていて
赤ちゃんにご飯をあげている、彼女は一人きり
テレビをつけると、誰を見たと思う?
スケーターボーイがMTVでロックしてる!
【歌詞】
She calls up her friends
They already know
And they’ve all got tickets to see his show
She tags along
Stands in the crowd
Looks up at the man that she turned down
【和訳】
彼女が友達に電話すると
もうみんな知っていて
彼のライヴのチケットを買っていた
彼女もついて行って
観客の中に立ち
自分が振った男を見上げるの
[Chorus]
【歌詞】
He was a skater boy
She said, “See you later, boy”
He wasn’t good enough for her
Now he’s a superstar
Slammin‘ on his guitar
Does your pretty face see what he’s worth?
(×2)
【和訳】
彼はスケーターボーイ
彼女は言った「またね!」
彼じゃ彼女は満足できなかった
今や彼はスーパースターで
ギターをかき鳴らしいる
あなたの可愛い顔は彼の価値がわかるかしら?
[Bridge]
【歌詞】
Sorry, girl, but you missed out
Well, tough luck, that boy’s mine now
We are more than just good friends
This is how the story ends
【和訳】
ごめんね、でも、あなたはチャンスを見逃したのよ
残念ね。今、彼は私のものなの
私達はただの友達以上の関係
こうして物語は終わるの
【歌詞】
Too bad that you couldn’t see
See the man that boy could be
There is more than meets the eye
I see the soul that is inside
【和訳】
気づけなかったのは残念ね
あの少年がどんな男になるのかを
外見ではわからないことがあるのよ
私には内側にある魂が見えるの
【歌詞】
He’s just a boy, and I’m just a girl.
Can I make it any more obvious?
We are in love, haven’t you heard
How we rock each other’s world?
【和訳】
彼はただの男の子で、私はただの女の子
もうはっきりしてるでしょ
私達は愛し合ってる、聞こえてこない?
二人がどんなに互いの世界を揺り動かし合っているか
[Chorus]
【歌詞】
I’m with the skater boy
I said, “See you later, boy”
I’ll be backstage after the show
I’ll be at the studio
Singing the song we wrote
About a girl you used to know
(×2)
【和訳】
私はスケーターボーイと一緒
私は言った「またね!」
ライヴのあとバックステージにいくの
スタジオにいって
二人で書いた曲を歌う
昔、知ってた女の子の歌をね
歌詞の意味・文法解説
[Verse1]
But all of her friends stuck up their nose
でも彼女の友達はみんなお高くとまっていて
解釈その①
stick:突き出す、突き刺す
(動詞 stick の過去形が stuck です)
このフレーズは直訳すると
All of her friends stuck up their nose
彼女の友達はみんな自分の鼻を突き出した
です。
このままでは意味がわかりませんが次のような熟語があります。
stick one’s nose:首を突っこむ、出しゃばる
この歌詞にあてはめると
All of her friends stuck up their nose
彼女の友達はみんな出しゃばってきた
となります。
解釈その②
一方で次のような熟語もあります。
stuck up:高慢な、お高くとまった
但し、上記の意味での stuck up は形容詞として使われます。
形容詞ならば、この歌詞では、直後に所有格 their が続くのは違和感があり、be動詞も省略されています。
しかし、以下のような表現もあります。
これは stuck に「抜け出せなくなった」という意味があるからです。
上記の例文からこの歌詞は直訳すれば
All of her friends (were) stuck up their nose
彼女の友達はみんな自分の鼻に登って降りられなかった
となり、意訳すれば、結局、「高慢な、お高くとまった」と解釈できると思います。
この歌詞のフレーズは、この曲独特の表現と思いますが、上の2つの解釈の意味合いが混じっているのかと思います。
「出しゃばる」のは続くフレーズで baggy clothes (ダボダボの服) のダメ出しで暗に伝わるので、和訳は後者の解釈②にしました。
[Chorus]
He was a skater boy
彼はスケーターボーイ
曲名 sk8ter boi の sk8ter は、8 (eight) を英語で「エイト」と読むことから、このような当て字がつかわれます。boi も boy (少年) のくだけた表現です。
sk8 という表現は、日本でもスケボーユーチューバーの “sk8かつや”さん、アニメ番組の“エスケーエイト”などで使わています。
She needed to come back down to earth
地に足をつけなきゃいけなかったのよ
come back down to earth:地に足をつける、現実に戻る
[Verse2]
Five years from now, she sits at home
それから5年後、彼女は家で座っていて
now :今、その時
この”物語“はいつのこと?
now をどう捉えるかで解釈が変わってきます。
Five years from now を “未来” と解釈した場合
now を”今”と解釈した場合です。
その場合、Five years from now は「今から5年後」ですから、未来のことを書いていることになります。
動詞 sits は現在形で、続くフレーズも現在形が連なります。
物語や劇の一連の出来事にはこのように現在形が使われます。
ですので、未来に起こる”物語”を綴っているのが、この歌詞という解釈です。
ただ、どこまでが未来の”物語”かは判然としません。
次の Chorus (サビ) までとすると、”彼” (“He”) がスーパースターになるのは想像上のことで、現在の “彼” とつきあっている “私” (“I”) の願望にすぎないのかもしれません。
はたまた、”We are more than just good friends” (私達はただの友達以上の関係) といったあたりも、未来の”物語”だとすると、 “私” (“I”) も “彼女” (“She”) と同じように片思いしているだけと考えられます。(熱狂的なファン・ストーカー?)
Five years from now を “過去” と解釈した場合
now を”その時”と解釈した場合です。
now は、物語でその中にいる人物の視点からみた現在を表すことがあり、「その時」「それから」といった意味になることがあります。
目の前で物語が展開するようなニュアンスになります。
動詞 sits と、続くフレーズで現在形の動詞となっていますが、実は過去のことを語っているとも解釈できます。
歴史的現在という用法で、過去の出来事を物語るときに現在時制を用いるというものです。
歴史的現在の用法は、英語に限らず、日本語で小説などでもよく使われる表現です。
過去の出来事を、生き生きと臨場感をだす表現方法です。
ですので、過去に起こった”物語”を綴っているのが、この歌詞という解釈です。
“未来”、”過去” どちらとも解釈できますが、上記の和訳は、後者の過去の起こった出来事として訳しています。
She tags along
彼女もついて行って
tag along:ついて行く、付き添う
商品に必ず値札 (タグ) がついていることから、このような表現になったそうです。
[Chorus]
Slammin‘ on his guitar
ギターをかき鳴らしいる
slam:たたきつける、強く打つ
slam は音がするくらい強く何かを打つ、激しく叩くという意味をもつ単語です。
ここではギターかき鳴らしいる、といったニュアンスです。
[Bridge]
Sorry, girl, but you missed out
ごめんね、でも、あなたはチャンスを見逃したのよ
miss out:(チャンス・楽しいことなどを) 見逃す
There is more than meets the eye
外見ではわからないことがあるのよ
There is more (to …) than meets the eye: (…には) 見た目以上のものがある
than は関係代名詞と同じように後に続く文のなかで主語や目的語の働きをすることがあります。
この例文では than は is の主語で、代名詞として than が指すもの (先行詞) は clothes です。
一方、この歌詞で more は「それ以上の事・物・人」という意味の名詞で、”事・物・人” の内容は文脈できまり、それがthan の指すものです。
以上からこのフレーズは上記の意味になります。
以上です。
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