この記事では、シンディ・ローパーの名曲『True Colors』の歌詞を英語学習を兼ねて、解説します!
英語の洋楽を聴いていて
この歌詞はどういう意味だろう?
和訳はネットで検索すれば出てくるけれど
何故そういうニュアンスになるんだろう?
そんな風に感じたことはありませんか。
この記事を読んで、そんな疑問を解決して頂ければと思います!
概要
『True Colors』
トゥルー・カラーズ
『True Colors』 (トゥルー・カラーズ)はアメリカのシンガーソングライター、シンディ・ローパー(Cyndi Lauper) の曲です。
彼女のセカンド・アルバムから1986年にリリースされ、全米ビルボードチャートで2週間にわたって1位を記録しました。
『True Colors』は『Girls Just Want to Have Fun』『Time After Time』と並ぶシンディ・ローパーの代表曲です。
ソングライターのビリー・スタインバーグとトム・ケリーがつくった曲で、元々はビリー・スタインバーグが自身の母親のことを書いた曲でしたが、それをローパーがアレンジし完成しました。
後述しますが、曲名の『True Colors』は、直訳すれば「本当の色」「真実の色」ですが、比喩的に「真の姿」「本性」という意味で使われる言葉です。
歌詞は、あなたの「真の姿」は美しい、辛くなったら私を呼んでと、傷ついた人を励ます内容となっています。
以下、この記事では英語の文法を中心に歌詞を解説します。
歌詞・和訳
Lyrics
[Verse1]
【歌詞】
You with the sad eyes
Don’t be discouraged
Oh I realize
It’s hard to take courage
In a world full of people
You can lose sight of it all
And the darkness inside you
Can make you feel so small
【和訳】
悲しい目をしたあなた
落ち込まないで
ああ、分かるわ
勇気を出すのは難しいわ
人に溢れた世の中ではね
何もかもを見失ってしまう
そして、あなたの中にある闇が
自分をちっぽけに思わせてしまう
[Chorus]
【歌詞】
But I see your true colors
Shining through
I see your true colors
And that’s why I love you
So don’t be afraid to let them show
Your true colors
True colors are beautiful,
Like a rainbow
【和訳】
でも、わかるわ、あなたの本当の色が
輝いているもの
わかるわ、あなたの本当の色が
そして、それがあなたを愛する理由
だから、それを見せることを恐れないで
あなたの本当の色
その色は美しいわ
まるで虹のよう
[Verse2]
【歌詞】
Show me a smile then,
Don’t be unhappy
Can’t remember
When I last saw you laughing
If this world makes you crazy
And you’ve taken all you can bear
You call me up
Because you know I’ll be there
【和訳】
じゃあ、笑ってみせて
不幸にならないで
思い出せないの
あなたが笑ってるのを最後にいつ見たか
この世界があなたをおかしくして
めいっぱい抱え込んでしまったら
わたしを呼んで
だって知ってるでしょ、わたしがそこにいるって
[Chorus]
上記と同様
[Bridge] / [Verse2]
【歌詞】
( Can’t remember
When I last saw you laughing )
If this world makes you crazy
And you’ve taken all you can bear
You call me up
Because you know I’ll be there
【和訳】
上記と同様
[Chorus]
上記と同様
歌詞の意味・文法解説
[Verse1]
It’s hard to take courage in a world full of people
勇気を出すのは難しいわ、人に溢れた世の中ではね
take courage:勇気が出る、勇気が要る
a world:
world といった常識的に「唯一のもの」を指す名詞のまえには、定冠詞の the をつけると学校で習ったと思いますが、このフレーズでは不定冠詞 a がついています。
「唯一のもの」の1つの様相・側面を表すとき、不定冠詞 a が使われることがあります。
この歌詞のように、形容詞 (full of …) がついている場合に多いです。
a world full of people
人に溢れた世の中
定冠詞 the は、話し手と聞き手に共通認識があるものにつけます。
「唯一のもの」だとしても、様々あるうちのどの様相・側面を話しの中にもちだすかは、いつも共通認識があるわけではないので、不定冠詞 a をつけます。
[Chorus]
But I see your true colors, shining through
でも、わかるわ、あなたの本当の色が。輝いているもの
true colors:
曲名となっている言葉ですね。
「本当の色」「真実の色」という意味ですが、比喩で「真の姿」「本性」といった意味になります。
良い意味でも悪い意味でも使われます。
この歌詞ではもちろん前者です。
shine through:(人の個性・能力等が) 輝いてみえる
shine を現在分詞 ing にして、直前の true colors を修飾しています。
Like a rainbow
まるで虹のよう
rainbow:
日本ではあまり馴染みがないかも知れませが、rainbow (虹) は、セクシャリティの多様性・共存という観点から、LGBTの象徴と見なされることがあります。
『True Colors』は、歌詞の内容や、シンディローパーが友人をエイズで亡くし、その後の彼女の活動の経緯もあり、LGBTに親しまれる曲でもあります。
[Verse2]
Can’t remember when I last saw you laughing
思い出せないの、あなたが笑ってるのを最後にいつ見たか
ここのフレーズは、Can’t remember… と助動詞 can から始まっていますが、これは主語 I が省略されています。
I can’t remember…
わたしは … を思い出せないの
日本語と違い英語はきっちりと主語を文につける言語ですが、主語が省略されることもあります。
友達同士とか親しい間柄でのくだけた日常会話では、主語が省略されることがあり、このフレーズもその事例です。
when以降は、知覚動詞 see を使った文です。
… when I last saw you laughing
知覚動詞は、五感で「見る、聞く、感じる…」と身体的に知覚する行為を表す動詞です。
【語順】
知覚動詞 + 目的語 + 動詞原形 or 分詞
の語順で、ここでは、それぞれ以下です。
- 知覚動詞
-
see (saw)
- 目的語
-
you
- 現在分詞
-
laughing
※目的語 (you) の現在分詞 (laughing) の動作を知覚 (saw) したということです。(直訳「あなたが笑っているのを見た」)
上記の【語順】にあるように分詞のほかに動詞原形を使うこともできますが、ニュアンスは異なります。
動詞原形:「動作の全て」を見る
現在分詞:「動作の一部」を見る
このフレーズの歌詞では現在分詞なので、継続して笑っているところの一部分を切り取ったように見た、ということです。
「チラっと一瞬見たから、笑っている一部分を見た」のか、「すごく長く笑っていたから、全てを見切れず一部分を見た」のか、そのどちらともとれる表現ですが、動詞原形より、現在分詞のほうが、少しだけ余韻があるとも言えます。
前者ならば「一瞬見たことすら、いつか思い出せない」、後者ならば「全て見切れないほど長い時間 笑っていて楽しそうなのを見たのが、いつか思い出せない」という含みがあると解釈できるからです。
(「いつか思い出せない」 = Can’t remember when …)
If this world makes you crazy and you’ve taken all you can bear
この世界があなたをおかしくして、めいっぱい抱え込んでしまったら
take、 bear ともに「耐える、我慢する」という意味をもつ言葉です。
take はいろいろな意味になりますが、否定的な文脈で「耐えて…を受け入れる」「我慢して…を受け入れる」となります。また「責任を担う」という意味にもなり、bear も同様です。
これらを踏まえて直訳すると
You’ve taken all you can bear
あなたが我慢できるすべてを受け入れてしまう
となって、上記のような訳になります。
以上です。
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