この記事では、ビリー・ジョエルの名曲『Honesty』の歌詞を英語学習を兼ねて、解説します!
英語の洋楽を聴いていて
この歌詞はどういう意味だろう?
和訳は検索すれば出てくるけれど
何故そういうニュアンスになるんだろう?
そんな風に感じたことはありませんか。
この記事を読んで、そんな疑問を解決して頂ければと思います!
概要
『Honesty』
オネスティ
『Honesty』 (オネスティ)はアメリカのシンガーソングライター、ビリー・ジョエル(Billy Joel) の曲です。
彼の1978年のアルバム『ニューヨーク52番街』に収録され、同アルバムから第3弾シングルとして1979年にリリースされました。
テレビCMへの起用もあり、ビリー・ジョエルといえばこの『Honesty』か『The Stranger』(ストレンジャー) を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
実際、日本で人気の高い曲で、ベスト盤のアルバムに『Honesty』はアメリカでは収録されていませんが、日本盤では追加収録されています。
また、アメリカでチャート24位に対して、フランスではチャート1位になっており、内省的で哀愁のある歌詞は、お国柄で好みが別れるようです。
曲名の Honesty は『誠実』という意味。
歌詞は
不誠実が世に満ちて、誠実は得難い、けど、”君”からは求めたいんだ
という概要です。
各国での人気の違いをを念頭に置いて、改めて聴いてみると存外、同じ日本人でもいろいろな感想を持つかもしれませんね。
この曲を楽しむ一助にこの記事がなれば幸いです。
以下、この記事では英語の文法を中心に歌詞を解説します。
歌詞・和訳
Lyrics
[Verse1]
【歌詞】
If you search for tenderness
It isn’t hard to find
You can have the love you need to live
But if you look for truthfulness
You might just as well be blind
It always seems to be so hard to give
【和訳】
優しさを探しているのなら
見つけるのは難しくない
生きるために必要な愛を手に入れることができる
でも、誠実さを求めているなら
目が見えず暗闇で探し回るようなものだ
いつだってそれを示すのは、とても難しいよ
[Chorus]
【歌詞】
Honesty is such a lonely word
Everyone is so untrue
Honesty is hardly ever heard
And mostly what I need from you
【和訳】
誠実、なんて寂しい言葉なんだ
誰しも偽っている
誠実、滅多に聞くことがないけれど
それが主に僕が君に求めるものなんだ
[Verse2]
【歌詞】
I can always find someone
To say they sympathize
If I wear my heart out on my sleeve
But I don’t want some pretty face
To tell me pretty lies
All I want is someone to believe
【和訳】
いつも誰かはいるんだ
同情してくれる人間はね
気持ちを打ち明ければいいのさ
でも、僕は可愛い顔で
可愛い嘘をつく人間はほしくないんだ
僕がほしいのは信じられる人なんだ
[Chorus]
上記と同様
[Bridge]
【歌詞】
I can find a lover
I can find a friend
I can have security until the bitter end
Anyone can comfort me
With promises again
I know, I know
【和訳】
恋人を見つけることはできる
友人を見つけることはできる
人生が終わるまで安らぎを得ることもできる
誰でも僕を慰めることはできるんだ
また約束をすればね
わかってる、わかってるんだ
[Verse3]
【歌詞】
When I’m deep inside of me
Don’t be too concerned
I won’t ask for nothing while I’m gone
But when I want sincerity
Tell me where else can I turn
Because you’re the one that I depend upon
【和訳】
僕が自分の殻に閉じこもったら
そっとしておいてほしいんだ
そういう時は何も求めてないのさ
でも、誠実さを必要とする時は
ほかにどこを向けばいいか教えてほしい
だって君は僕が頼れる唯一の人なんだ
[Chorus]
上記と同様
歌詞の意味・文法解説
[Verse1]
You might just as well be blind
目が見えず暗闇で探し回るようなものだ
might (just) as well :…するのも同然だ、…する方がましだ
二つの悪い事態を比べて、落胆、諦めの感情をこめて使われることのある表現です。
この歌詞のように just とともに使われることが多いです。
ここで比べている悪い事態とは、もちろん blind (目がい見えない、盲目の) と、直前のフレーズの look for truthfulness (誠実さを求める) のこと。
as look for truthfulness が文末に省略されているともとれます。
You might just as well be blind as look for truthfulness.
誠実を求めるのは目が見えず暗闇で探し回るようなものだ
[Chorus]
Honesty is such a lonely word
誠実、なんて寂しい言葉なんだ
Honesty:誠実、正直
曲名でもある言葉ですが、曲中にはいくつか同じような言葉、類義語が登場します。
truthfulness や sincerity がそれに当たります。
それぞれ、誠実という意味ですが少しニュアンスが異なります。
- honesty
:誠実、正直 -
率直・ 誠実でうそ偽りのないことに重点があります。
- truthfulness
:誠実、真実 -
うそ偽りを”言わない”ことに重点があります。
- sincerity
:誠実、裏表がないこと -
真心から裏表がないことに重点があります。
lonely:寂しい、孤独な
lonely は、一人にはなりたくなくて疎外感を感じていて寂しい・孤独ということで、ネガティブなニュアンスのある言葉です。
「孤独」に似た言葉で「孤高」という言葉もあると思いますが、これは lonely には当てはまりません。
自分の意志で一人になっている、と言う場合は solitary を使います。solitary はポジティブ、ネガティブ (寂しい) のどちらの場合にも使われます。
[Verse2]
If I wear my heart out on my sleeve
気持ちを打ち明ければいいのさ
wear one’s heart on one’s sleeve:心の内を打ち明ける、感情を露骨に表す
直訳すると「袖に心を着けている」ですが、慣用句で上記の意味になります。
これは中世ヨーロッパの騎士が馬上槍試合で愛する女性を表す布・ハンカチを袖に着けたことに由来しているのだとか。
袖に心を着けたら誰でも分るので、「心の内を打ち明ける」、「感情を露骨に表す」のような意味になるわけですね。
この歌詞では heart のあとに out がありますが、強調するためのものでしょう。
[Chorus]
上記と同様
[Bridge]
I can have security until the bitter end
人生が終わるまで安らぎを得ることもできる
security:安心、心の安らぎ
security は、「セキュリティ」ですから「警備」ですが、上記のように「安心」という意味でも使われます。
「警備」の意味からも分かるように、security は危険や攻撃から守られていることによっての安心・心の安らぎ という含みがあります。
until the bitter end:最後の最後まで、死ぬまで
[Verse3]
Because you’re the one that I depend upon
だって君は僕が頼れる唯一の人なんだ
one は「人」「物」といった意味ですが、定冠詞の the をつけて the one とすると、特定の存在を強く指す表現になります。
この場合、one を強く発音したり、後ろから関係詞、不定詞、前置詞句で修飾したりします。
この歌詞では、関係詞で修飾していますね。
[Chorus]
上記と同様
以上です。
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