この記事では、A-ha の『Take On Me』の歌詞を英語学習を兼ねて、解説します!
英語の洋楽を聴いていて
この歌詞はどういう意味だろう?
和訳は検索すれば出てくるけれど
何故そういうニュアンスになるんだろう?
そんな風に感じたことはありませんか。
この記事を読んで、そんな疑問を解決して頂ければと思います!
『Take On Me』
(A-ha)
『Take On Me』 (テイク・オン・ミー)はノルウェーのシンセポップ・バンド「アーハ」(A-ha) が1984年にリリースした曲です。
曲名に含まれる take on は「受け入れる」とか「迎え入れる」といった意味の熟語。
バンド名の a-ha は間投詞 の一種で、驚いたときや喜んだ時に「ははあ!」「へえ!」というように使われる言葉です。
この『Take On Me』、曲自体もさることながら、そのPVが何と言っても秀逸です。
アニメーションが入り混じった映像は今観ても感心させられます。
漫画の中の主人公が、現実のヒロインに、「僕を受け入れて、僕との恋にチャレンジしようよ!」 = 『Take On Me』と誘いかけるというようなPVのストーリーです。是非、ご覧あれ。
歌詞としては、非英語圏のアーティストのため独特の箇所もあるようで、そういった点も含めてこの記事で触れています。
以下、この記事では英語の文法を交えて歌詞を解説します。
歌詞・和訳
[Verse1]
【歌詞】
We’re talking away
I don’t know what I’m to say
I’ll say it anyway
Today’s another day to find you
Shying away
I’ll be coming for your love, OK?
【和訳】
僕らずっと話してるね
もう何を言っていいのかわかないよ
とにかく言うね
今日は君に改めて出会う日だ
尻込みしているね
君の愛のために迎えに行くよ、いいね?
[Chorus]
【歌詞】
Take on me
Take me on
I’ll be gone
In a day or two
【和訳】
"僕を受け入れてよ"
僕を受け入れてよ
いなくなっちゃうよ
一日か二日すると
[Verse2]
【歌詞】
So needless to say
I’m odds and ends
But I’ll be stumbling away
Slowly learning that life is okay
Say after me
It’s no better to be safe than sorry
【和訳】
そう、言うまでもなく
僕はガラクタさ
でも、つまづきながら行くよ
人生 大丈夫だって徐々に学びながらね
僕のあとについて言ってごらん
「当たって砕けろ」ってね
[Chorus]
※上記と同様
[Verse3]
【歌詞】
Oh, things that you say
Is it a life or just to play
My worries away
You’re all the things I’ve got to remember
You’re shying away
I’ll be coming for you anyway
【和訳】
ねえ、君が言うこと
本気? それともふざけているの?
僕の心配が吹き飛ぶんだ
君は僕が忘れちゃいけないすべてさ
君は尻込みしてるけど
とにかく僕は君を迎えに行くよ
[Outro]
※上記と同様
歌詞・意味・文法解説
『Take On Me』(テイク・オン・ミー)
[Verse1]
We’re talking away
僕らずっと話してるね
talk away: 話し続ける、話して過ごす
talk away で上記のように「話し続ける」という意味ですが、これは前置詞 away には「 (休まず) ずっと」「たえず」という継続の意味があるからです。
同じ継続の away の熟語には、以下があります。
work away:働き続ける
cry away:泣き明かす
away というと「離れて」「消えて」という意味に捉えがちですが、上記のように継続の意味もあることを頭に入れておきましょう。
Today’s another day to find you, shying away
今日は君に改めて出会う日だ、尻込みしているね
another day:別の日、もう1日
直訳すれば「今日は君に会うためのもう1日だ」です。
another day は、「いつも通りのもう1日」であったり、「いままでとは違う新たな1日」という意味になったりと文脈により異なりますが、上記の和訳では後者でとらえています。
また、以下のような決まり文句もあります。こちらは名作『風と共に去りぬ』のセリフとしても有名です。
shy away:尻込みする
現在分詞 shying で直前の you を修飾しています。
find は文型 SVOC をとることができ you と shying の間を区切らずにひと続きとして訳せば
Today’s another day to find you shying away
今日は尻込みしている君に改めて出会う日だ
となるのですが、ちょっとしっくりこないですよね。
文法からは逸れますが、上記の和訳のように後から添えるように you を修飾している。もしくは、shying away の前に you are が省略されているようなニュアンスと思います。(実際、Verse3 では”You’re shying away”となっています)
[Chorus]
Take on me
"僕を受け入れてよ"
take on:迎え入れる、引き受ける
ここの歌詞、me は代名詞ですので通常の語順では take me on です。
調べてみるとどうやら『a-ha』はノルウェーのバンドで、ノルウェー語「Ta på meg」を直訳したものだとのこと。「Ta på meg」は英語では touch me (私に触れて) という意味になるようです。
和製英語の海外版 (?) のようなものでしょうか。
この歌独特のニュアンスとなっているようです。
参考に、take on の用例を以下に挙げます。
2つ目の例文は、ケンカのときに使う言い回しですが、同じように、この歌詞でも take onは、「自分にかかってこいよ!」「僕との恋にチャレンジしようよ!」というニュアンスにも取れると思います。
[Verse2]
I’m odds and ends
僕はガラクタさ
odds and ends:ガラクタ、半端もの
odd は「余り」、end は「端」という意味があり、複数形で and で結ぶと「ガラクタ」となります。
諸説あるようですが古くから使われている熟語のようです。
It’s no better to be safe than sorry
「当たって砕けろ」ってね
さて、このフレーズでは、It は形式主語とよばれるもので、to be safe (安全であること) のことを表しています。また、sorry は「後悔」ということです。
no better than は「~より全然よくない」を言い換えて「~同然だ」です。
no better than: ~同然である
なので、このフレーズを直訳すれば
It’s no better to be safe than sorry
安全であることは、後悔するのと同然だ
です。
つまり、「無難に安全なことしてたら、後悔するぞ、チャレンジしなきゃ!」というメッセージになるのですね。
ちなみに、このフレーズのなかの no を抜かすと
という、ことわざ になります。
It’s , to be , を省略して
と言ったりもします。
[Chorus]
※上記と同様
[Verse3]
Is it a life or just to play
本気? それともふざけているの?
上記でも『a-ha』はノルウェーのバンドということに触れましたが、ここのフレーズの life も非英語圏のアーティストならではの表現と思われます。
歌詞の文脈からするとこの life は「本物、真実、本当」というような意味と思われます。実際、次のような使われ方もします。
paint someone to the life: (人) を本物そっくりに描く
しかし、このフレーズのような意味では、”Is it true…” もしくは “Is it serious…” といった言い回しが通常のように感じます。
以上です。
コメント