この記事では、バングルスの楽曲『エターナル・フレーム』(Eternal Flame) の歌詞を英語学習を兼ねて解説します!
好きな洋楽で
この歌詞はどんな意味なんだろう?
和訳はネットで検索すれば何種類もヒットするけれど
何故そういうニュアンスになるんだろう?
そんなふうに疑問に思うことはないでしょうか。
この記事を読んで、そんな疑問を解決して頂ければと思います!
『エターナル・フレーム』(Eternal Flame) とは?
『エターナル・フレーム』(邦題:胸いっぱいの愛)はアメリカのポップロックバンド、バングルス (The Bangles) の代表曲のひとつで、1989年1月にリリースされています。
ヴォーカルのスザンナ・ホフスと、ビリー・スタインバーグ、トム・ケリーという3人で作った曲です。
スタインバーグとケリーはマドンナの「Like a Virgin」やシンディ・ローパーの「True Colors」といった名曲を共作したヒットメーカーのコンビで、2人の作っていたシンディ・ローパーの「Unconditional Love」をスザンナが気に入ったことで一緒に曲を作ることになったそうです。
そして、この『エターナル・フレーム』も、アメリカ、イギリスを含む9ヶ国でシングルチャート1位となっています。
この曲はサビ (Chorus) のない構成で、Aメロ (Verse) から Cメロ (Bridge) そして Aメロ (Verse) に戻る流れとなっていて、ビートルズを意識して作られたそうです。このような構成は60年代に流行した曲に多く、この曲がリリースされた80年代では 既に"レトロ"だったと、作曲したスタインバーグは語っています。
また、英語学習としては、ゆっくりとしたテンポで発音も聞き取りやすく、使われている単語も難しくありません。初学者の方におすすめです。
結婚式のBGMにもよく使われる曲です。
可愛らしいフレーズに心なごみながらの勉強もたまには良いのではないでしょうか!
以下、この記事では英語の文法を中心に解説します。
歌詞の構成・和訳
『エターナル・フレーム』
歌詞
Close your eyes, give me your hand, darlin’
Do you feel my heart beating
Do you understand
Do you feel the same
Am I only dreaming
Is this burning an eternal flame
和訳
ねえ、目を閉じて手を出して
私の胸の高鳴りを感じる?
わかる?
あなたも同じ気持ちかしら?
私が夢を見ているだけなの?
これは永遠の炎?
歌詞
I believe it‘s meant to be, darlin’
I watch you when you are sleeping
You belong with me
Do you feel the same
Am I only dreaming
Or is this burning an eternal flame
和訳
ねえ、きっと運命なのよ
あなたが眠っているのを眺めるの
あなたは私のもの
あなたも同じ気持ちかしら?
私が夢を見ているだけなの?
これは永遠の炎?
歌詞
Say my name
Sun shines through the rain
A whole life so lonely
And then you come and ease the pain
I don’t want to lose this feeling, oh
和訳
私の名前を言って
雨の中でも日が射すわ
孤独な人生に
あなたがやって来て痛みを和らげてくれる
この気持ちを失いたくないの
※上記の繰り返し
歌詞 ・文法・意味 解説
『Eternal Flame』
Aメロ1 [Verse1]
Do you feel my heart beating
私の胸の高鳴りを感じる?
この feel は知覚動詞という用法で
知覚動詞 (feel) + 目的語 (my heart) + 現在分詞 (beating)
の形をした文です。
知覚には、
①五感で感知して「見る、聞く、感じる」と身体的に知覚する場合
②知性によって「わかる、と思う」と精神的に知覚する場合
がありますが、英文法の知覚動詞は上記①の場合です。
※ 知覚動詞 には feel (感じる) のほかに 代表的なものとして see (見る) , hear (聞く) などがあります。
つまり、直前のフレーズで、give me your hand とあるので
まさに相手が差し伸べた手 (your hand) を通して直接に感じているかどうかを Do you feel … ? と問いかけているわけです。
また、動詞 feel は知覚動詞の用法以外に、 that節 をとることもできますが、その場合には上記②の「わかる、思う」という意味になります。
Do you feel that my heart is beating?
私の胸が高鳴っていると思いますか?
この場合には「 (頭の中で想像して) … だと 思うか / 直感で感じるか?」という違った意味合いになります。
beat:鼓動する、たたく
Is this burning an eternal flame
これは永遠の炎?
現在進行形の表現で、直訳すれば
『これは永遠の炎を燃やしているの?』
です。
代名詞 this は話し手から見て距離的・心理的に近いもの、すでに述べられた話の内容、を指す言葉です。
解釈は色々あるかと思いますが、少し前に登場する my heart beating (胸が高鳴っていること) を this が指していると捉えることができると思います。
burn:燃やす
このフレーズでは、現在進行形のため burning となっています。
eternal flame:永遠の炎
この曲のタイトルにもなっている言葉ですね。
"eternal flame" は戦没者の記念碑や、国家的な重要人物の墓地で燃やされる炎を指して使われる言葉です。宗教的な永続的な信念の象徴であったり、外交的な目標や誓いを忘れないように設けられるものです。 (参照リンク)
有名なものとしてはJ・F・ケネディのお墓に設けられたものや、日本国内でいえば、広島平和記念公園の"平和の灯"も該当すると思います。

"eternal flame" (永遠の炎) がなぜ曲名となったのか?
上記のように墓地などに"eternal flame" (永遠の炎) があるのですが、バングルスのメンバーがエルビスプレスリーの墓地に行った際に見かけたことや、子供の頃に作曲者のスタインバーグが教会で"eternal flame" (永遠の炎) を体験したことが結びついて、この曲に盛り込まれたようです。
この曲の歌詞は全体を通して、あどけない可愛らしい描写ですが、そこに"eternal flame" (永遠の炎) という、信念・誓い という含みのある固い言葉が登場することで、話し手 の切実さが表現されていると思います。
この"eternal flame" (永遠の炎) は結婚式などのBGMにもよく使われる曲ですが、恋人から夫婦への節目となる儀式によくあってますね。
Aメロ2 [Verse2]
I believe it‘s meant to be, darlin’
ねえ、きっと運命なのよ
ここで it が登場しますが、これは人称代名詞です。
人称代名詞 it は、それまでの文脈から 話し手と聞き手の双方で、おのずと特定できる対象 (あるいは話し手がそう考えた対象) を指す代名詞です。
通常、こういった it はあえて日本語に訳さないですが、ここでは文脈から歌詞に登場する「二人の関係」などを指していると思います。
be meant to be: … になる運命だ、になるはずだ
meant は、mean (意味する、意図する) の過去形・過去分詞です。
直訳すれば「.… になると意図される」で、意図するのが "誰" or "何"か 特定なければ、神様や世の中の普遍的な仕組みとしてそうなっているわけで、「… になる運命だ」ということになります。
末尾の be動詞 のあとは、それまで文脈から明らかである場合、省略されることが多いです。この歌詞でも明らか? ですよね。
ブリッジ [Bridge] x2
はじめのフレーズは命令形 (Say …) で、そのあとに 等位接続詞の and が省略されていると捉えることができると思います。つまり
Say my name, (and) Sun shines through the rain.
私の名前を言って、(そうすれば) 雨の中でも日が射すわ
という文章です。このように
命令文+ and … ⇒ 『 ~ しなさい、そうすれば … です』
という意味になります。
shine:輝く
Aメロ1 [Verse1] x4 (同上)
※上記の繰り返し
英語学習のおすすめ書籍
『Eternal Flame』の歌詞を英語学習を兼ねて、解説してきましたが、いかがでしたでしょう。
最後に、よく聞かれるので、筆者が英語学習にこれまで特によく使ったおすすめ書籍をご紹介します。
どれも定番です。
この記事のような解説を書く際にも参照することがあります。
まず英文法の基礎はこちら。
昔はフォレストという名前でしたが、いつの間にか名前が変わっていましたね。
さらに詳細な英文法書。
以上です。
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