この記事では洋楽、ベン・E・キングの名曲『Stand By Me』の歌詞を英語学習を兼ねて解説します!
好きな洋楽の歌詞で、どんな内容なのか、和訳はネットで検索すれば何種類もヒットするけれど何故そういうニュアンスになるのか疑問に思うことはないでしょうか。
この記事を読んで、そんな疑問を解決して頂ければと思います!
『Stand By Me』 (スタンド・バイ・ミー)
『Stand By Me』 (スタンド・バイ・ミー)は1961年 アメリカ でリリースされたベン・E・キングの曲です。同名の映画の主題歌でもあり、この曲を聴けば映画の情景を一緒に思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
映画は1986年に公開で、先にこの曲があり、そのタイトルに曲名が使われたそうです。
また、この曲は元々黒人霊歌「Oh Lord, Stand By Me」が元ネタ・原曲です。メロディは違いますが、タイトル・歌詞に共通する部分が多くみられます。
さて、その歌詞ですがシンプルでわかりやすく、英語が苦手という方も親しみやすいと思います。この記事では英語の文法を中心に解説しますので是非、参考にしてみてください。
John Lennon (ジョンレノン)をはじめ様々なミュージシャンにもカバーされています。(同名のタイトル『Stand By Me』で Oasis (オアシス) の曲もありますがこちらは別メロディ )
映画『Stand By Me』は、本ブログの英語学習の記事でも扱っているので興味のある方はご覧ください。
以下、この記事では英語の文法を中心に解説します。
歌詞・和訳
Aメロ1 [Verse1]
歌詞
When the night has come
And the land is dark
And the moon is the only light we’ll see
No, I won’t be afraid
Oh, I won’t be afraid
Just as long as you stand, stand by me
和訳
『夜が訪れ』
『大地は闇につつまれ』
『月明りしか見えなくても』
『いいや、こわくなんてない』
『そうさ、こわくなんてない』
『ただ君が僕のそばにいてくれれば』
サビ [Chorus]
歌詞
So darlin’, darlin’
Stand by me, oh, stand by me
Oh, stand, stand by me
Stand by me
和訳
『だから、ダーリン』
『僕のそばにいて、そばにいてよ』
『ねえ、僕のそばにいてよ』
『僕のそばにいてよ』
Aメロ2 [Verse2]
歌詞
If the sky that we look upon
Should tumble and fall
Or the mountain should crumble to the sea
I won’t cry, I won’t cry
No, I won’t shed a tear
Just as long as you stand, stand by me
和訳
『僕らが見ている空が』
『転げ落ちたとしても』
『あの山が海に崩れていったとしても』
『僕は泣かない、泣いたりしないよ』
『そうさ、涙を流したりしない』
『ただ君が僕のそばにいてくれれば』
サビ [Chorus] × 1
※上記の繰り返し
サビ [Chorus]
歌詞
…
Whenever you’re in trouble, won’t you stand by me?
Oh, stand by me
Won’t you stand now, oh, stand, stand by me
When all of your friends have gone
和訳
『困った時はいつでも、僕のそばにおいでよ』
『そうさ、僕のそばにいてよ』
『さあ、僕のそばにおいでよ』
『君の友達がみんないなくなったのなら…』
歌詞・和訳 ・文法・意味解説 『Stand By Me』
Aメロ1 [Verse1]
冒頭の When から see まで、つまり以下が副詞節です。
the night:
定冠詞 the があるので、この night ( 夜 ) は抽象的、普遍的な夜ではなく、語り手 (歌中に登場する ” I ” ) 、そしてその聞き手 (ここでは you 「 君 」) にとって特定できる具体的な夜です。
あえては上記の和訳では訳出はしていませんが、この定冠詞 the があることで、臨場感のある、登場人物二人の目の前に迫ってくるような夜であることが表現されていると思います。
そんな夜が、今やって来た (has come : 現在完了形) というわけです。
続く the land (大地・土地) も同様で、自分たちの目の前にまさに広がるものを表現しているから定冠詞 the をつけていると考えます。
※ 上記の訳では、接続詞 When は文脈から譲歩の用法 「 … としても / にもかかわらず 」 と捉えています。もちろん単に時を表す表現として「… する時 」とも解釈できると思います。
won’t : = will not … する意志はない、… するものか
as long as … : … である限り、… ということであれば、… のあいだは
これはよく知られている熟語と思います。
as long as という3つの単語をワンセットで覚えがちかもしれませんが、文章の意味的な区切りは、as long as という ひと塊 ではありません。
as long と as … 以降の間に意味的な区切りがあります。具体的にこの歌詞で言えば、以下の // の箇所です。
実際にこの曲で、ベン・E・キングもまさに // の箇所に休符を置いて歌っています。
I won’t be afraid, Just as long // as you stand, stand by me
直訳すれば
「 こわくなんてない、ちょうど同じくらいの長さのあいだは // (どれくらいかといえば) 君が僕のそばにいてくれるのと同じくらい 」
です。as は 「同じくらい・同程度」という意味になり、1番目の as は副詞で、2番目の as は接続詞です。
1番目の as は副詞で 形容詞 である long を修飾
2番目の as は接続詞で 2つの句 ( Just as long と you stand … ) をつなげています。
stand by: … のそばにいる、そばに立つ、… を支える、助ける
曲のタイトルにもある言葉ですが、 stand 「立つ」、 by 「そば・近く」という意味が組み合わされて上記のような意味になります。
通常の日常会話では、写真を撮るときなどで自分の隣に実際に立ってほしい場合に ” come and stand by me ” といった使われ方をします。
支えて助けてほしい、そばに寄り添ってほしい、という意味での使われ方はちょっと非日常の親密なニュアンスがあります。
この曲での意味は後者ですね。
なお、この歌詞で、 as you stand, stand by me の箇所で stand が二重になっているのは、リズム・テンポによるもの、繰り返すことでの強調によるもの、であって意味としては
” as you stand, stand by me ” = ” as you stand by me ”
と stand は 1語 と解釈して上記の和訳は行っています。
サビ [Chorus]
darling:最愛の人、あなた、おまえ (恋人・夫婦同士の呼び掛け)
カタカナで「ダーリン」と言っても通じるように、「最愛の人」への呼び掛けの言葉です。日本では男性の恋人や夫に対して使われることが多いですが、本来の定義に男女の区別はありません。
また、冒頭でも触れたように、この曲は 黒人霊歌「Oh Lord, Stand By Me」が原曲です。 黒人霊歌はキリスト宗教歌ですので、この原曲のタイトルにある Lord とは神を指しますが、ベン・E・キングはこれを darlin’ と置き換えたのかと思います。
つまり、神様に関する歌を、近しい親愛な人への歌に変えたわけですね。
※ この歌詞のように最後に -ing がつく単語は、g を省略して ‘ (アポストロフィ) をつけることがあります。話すときに「… イング」 ではなく、「 … イン」 と最後の g を発音しないことがあるためです。
Aメロ2 [Verse2]
条件節 (if 節) は以下でひと続きです。
この節で使われている should は 「もし万一 … したら」という仮定の条件で、実現の可能性が低いという語り手 (歌中に登場する ” I ” ) の判断を表しています。
look upon (= look on) : … を見る、… を見つめる、 … を傍観する
upon と on はほぼ同じ意味ですが、upon のほうがフォーマル、文語に使われます。この曲のように詩 などでも使われることがあります。
upon は on とおおよそ置き換えることが可能ですが、昔話の導入部などで使われる once upon a time 「むかしむかし …」 のような決まり文句では置き換えできません。
tumble:転げまわる、落ちる
crumble :崩れる、粉々に砕ける
shed a tear : 涙を流す
サビ [Chorus] × 1
※上記の繰り返し
サビ [Chorus]
in trouble : 困難な状態で、窮地に立って
won’t you … ? : … しませんか? (相手への依頼・勧誘の表現)
will you … ?も 同様に依頼・勧誘の表現ですが、won’t you … ? は相手が当然してくれることを期待した言い方です。
以上です。
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