作品概要
幼い頃から30年に渡り眠り続けてきた患者レナードが新薬による目覚め。そして、人づきあいが苦手な医師セイヤーとレナード、そしてその周囲の人々との触れ合いを描いた物語。原作は医師オリバー・サックス著作の医療ノンフィクション、映画はその内容を再構成したものとなっている。新薬がもたらした奇跡と、そこから現実に直面していくレナードの描写がとても切ないです。なにもかもがうまく行くようなハッピーエンドではありませんが、見終わった後に温かい気持ちになれる映画です。
アカデミー賞受賞俳優、ロバート・デ・ニーロとロビン・ウィリアムズの共演で贈る、実話を元にした感動ドラマ。難病に苦しむ患者たちに起きた奇跡の出来事と、彼らの治療に精魂を傾けたひとりの医師の姿を描く。
出典:Amazon
基本情報
アメリカ映画 1990年公開 (121分)
原題:Awakenings
舞台:1969年 ニューヨーク州ニューヨーク市ブロンクス
出演:
俳優 | 役名 |
---|---|
ロバート・デ・ニーロ Robert De Niro | レナード・ロウ Leonard Lowe |
ロビン・ウィリアムズ Robin Williams | マルコム・セイヤー Malcolm Sayer |
ほか
語彙の傾向
- Main:身体障害、医療、薬物 関連
- Sub:恋愛、家族、学術研究、社会問題、精神障害 関連
英語表現等
医師団への外出の訴え
1:26:01 ~ 1:27:43
レナードが医師団へひとりでの外出許可を訴える場面です。
Dr. Kaufman : What is it that you want now, Mr. Lowe?
⇒ カフスマン医師『ロウさん、あなたの望みは何ですか?』
What is it that you want ?
強調構文です。「It is … that …」という構文を疑問形としたものがこのセリフです。また、特に口語では that が省略されることもあります。
Leonard : To have the choice to go for a walk if I want to, like any normal person.
⇒ レナード『普通の人間のように、自由に散歩がしたいんです。』
レナードは医師団にひとりで自由に外出をしたいと訴えます。
To have the choice
have the choice で「選択肢を持っている」です
文頭の To は want に掛る不定詞です。前出のセリフにある What is it that you want? の強調構文での疑問文の What に対応しています。
つまり強調構文で全文を書けば
It is to have the choice to go for a walk if I want to, like any normal person, that I want.
です。
go for a walk:散歩に出掛ける
Dr. Kaufman : What difference would that make?
⇒ カフスマン医師 『それはどのような違いがあるんでしょうか?』
医師は、今でも散歩なら自由にできる、ひとりで出掛けるのといったい何が違うのか? とレナードに問いかけます。
What difference would that make?
訳は上記の通りです。少し表現を変えて
What difference does that make?
で、「どこが違うの?」「どっちだっていいでしょ?」の意味ですが、このセリフは would を使って少し丁寧に婉曲した表現になっています。
Leonard : Look, I’m not a criminal. I’ve committed no crime. I’m not a danger to myself or to others. yet I’m still not allowed to go for a walk on my own, by myself. You didn’t wake a thing, you woke a person. I am a person.
⇒ レナード『僕は犯罪者ではないし、何も罪を犯してはいません。自分にも他人にも危害はない。なのに一人での外出を禁じられている。あなた達が目覚めさせたのは人間で物じゃない。僕は人間なんです。』
レナードは外出の許可を訴えを続けます。
criminal:犯罪者
commit a crime:罪を犯す
danger to : … にとって危険なもの
on one’s own:自力で、自分の責任で、独断で
by oneself:独力で、自分だけで
Nora : Mr. Lowe, are you at all aware of the unconscious hostility you’re exhibiting toward us right now?
Leonard : How could I be aware of it if it’s unconscious?
⇒ ノーラ『ロウさん、そもそも今あなたは、私達への無意識の敵意を見せていることに気付いていますか?』
レナード『それが無意識ならば、どうして気付くことができるんですか?』
医師団のなかの一人の女性がレナードの訴えを分析するような発言をします。
正しい分析かもしれませんが、この場の状況を解決するための助けにはならない言葉ですね。レナードが「無意識の敵意」という都合良く造れてしまうものに全く取り合わないのも面白いですね。
at all:そもそも (疑問文で)
unconscious :無意識の
hostility:敵意
exhibit:(感情を) 表に出す、示す
Leonard : I’d go for a walk. I’d look at things. I’d talk to people. I would decide if I want to go in this or that direction or straight ahead. I would do all the things you take for granted.
レナード『散歩をしていろいろ見て、人と話したりしたい。あっちに行くのか、こっちに行くのか、真っすぐ行くか自分で決めたい。あなた達には当たり前のことを僕もしたい』
go in the direction of : … の方向に進む
go “in” the direction となります、”to” ではありません。
take … for granted: … を当然のことと思う
Dr. Kaufman : And that’s it?
Leonard : That’s it.
⇒ カフスマン医師 『それで全部ですか?』
レナード 『はい、以上です』
that’s it:それで全てです、以上です
会話の締めくくりに、よく使われる表現です。是非覚えておきましょう。
Dr. Kaufman : All right, then. We’ll certainly take this into consideration and we’ll let you know.
⇒ カフスマン医師 『わかった。このことをしっかりと考慮したのちに、君に知らせるよ』
take … into consideration: … を考慮に入れる
let someone know:(人)に知らせる
この表現は業務で(ビジネス英語)でも本当によく使います。
相手に「知らせる」なら let you know
自分に「知らせて」なら let me know
英語で仕事をする人は自然と覚えているでしょう。まだこれからの人は、しっかり覚えておきましょう。
以上です。
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