作品概要
ハッカーとして名を馳せる主人公ネオが自分のいる世界が仮初めの現実ということを知る…。
彼とその仲間たちによる仮想世界からの解放の戦いを描くSFアクション。物語各所に仄めかされた断片が、見事にラストシーンに紡がれる展開に引き込まれていくこと間違いなしです。
また、香港カンフー映画風のワイヤーアクション、高速アクションのスローモーションでの演出(「バレットタイム」被写体の周りを複数台のカメラで囲って撮影する手法)も見どころです。
基本情報
アメリカ映画 1999年公開 (136分)
原題:The Matrix
舞台:近未来・仮想現実
出演:
キアヌ・リーブス (ネオ(トーマス・A・アンダーソン))
ローレンス・フィッシュバーン (モーフィアス)
ヒューゴ・ウィーヴィング (エージェント・スミス)
ほか
コンピュータプログラマーとしてニューヨークの企業で働くネオ。凄腕ハッカーという別の顔を持つ彼は、最近 “起きてもまだ夢を見ているような感覚”に悩まされていた。そんなある日、自宅のコンピュータ画面に、不思議なメッセージが届く…「起きろ、ネオ」「マトリックスが見ている」「白うさぎの後をついていけ」。正体不明の美女トリニティーに導かれて、ネオはモーフィアスという男と出会う。そこで見せられた世界の真実とは。やがて、人類の命運をかけた壮絶な戦いが始まる
出典:Amazon
語彙の傾向
- Main:機械、AI、武器 関連
- Sub:恋愛、暴力、警察、格闘技、生物学、環境問題、オフィスワーク、犯罪 関連
英語表現等 – 預言者との会話
預言者との会話
1:12:33 ~ 1:17:25
主人公ネオと預言者との会話シーンです。
ラストシーンへとつながる伏線が多く登場する場面です。
Oracle : What’s really going to bake your noodle later on is, would you still have broken it if I hadn’t said anything?
⇒ 『後で本当にあなたの頭を悩ませるのは、もし私が何も言わなかったとしても、それ(花瓶)を壊したのか? ってこと』
ネオが預言者の言葉をきっかけに振り向いた際に、花瓶を落として壊してしまった時の、預言者のセリフです。
bake your noodle:
スラングでnoodleは「頭」を意味します。また、bake one’s brain は直訳すれば「頭 (脳)を焼く」、そこから「考えすぎて頭がクラクラする」という表現になります。ですので、上記のように「bake your noodle」で
⇒ 『あなたの頭を悩ませる』
といったニュアンスになります。
また、上記の台詞は、”What’s … later on” までが主語で、”is” が文全体の動詞、”would you … anything?”がひとかたまりの節 ( ”is” あとに that を省略した名詞節と考えればよいと思います)。
”is” の後に続く節は、過去の事実に反することを表現する、典型的な仮定法過去完了ですね。
(主節)would have done , (if節)had done
Oracle : It’s Latin. It means “know thyself.”
⇒ 『それはラテン語よ。意味は”汝自身を知れ”ということ』
Latin:ラテン語
know thyself:汝自身を知れ
古代ギリシアの格言です。thyself = yourself
”thyself” (汝自身) は yourself の古い表現です。古代をテーマにした物語等ではよく目にすると思います。他に下記も一緒に覚えておきたいです。
thou:汝は(主格)= you
thy:汝の (所有格)= your
thee:汝に、そなたに (目的格)= you
thine:汝のもの、そなたのもの (所有目的格)= yours
Oracle : I’m gonna let you in on a little secret.
⇒ 『ちょっと秘密を教えてあげるわ』
let someone in on a secret: … に秘密を教える
Oracle : Being the One is just like being in love. No one can tell you you’re in love. You just know it. Through and through. Balls to Bones.
⇒ 『救世主であるということは、恋をすることと似ているわ。あなたが恋していることは誰にもわからない。でも、自分では痛いほどわかるものでしょう』
the One:
作中でモーフィアスが話した人類を救うような特殊な能力を持った男のことを指して 代名詞で ”one” が使われていること、また the One で絶対神、唯一神、(たった一つのものという意味からの派生)を指す言葉にもなることから、日本語吹き替え、字幕では”救世主”と訳されていると思われます。
Through and through:徹底的に、とことん、何から何まで
Balls to Bones:
作中での独特の表現と思われます。それぞれ複数形で、Balls(根性、勇気)、Bones (身体、骨格) といった意味になることから、「心と体すべてで」、「身に染みて」 ”わかる” (You just know it.)といった意味合いになると思います。
Oracle : You’re in control of your own life.
⇒ 『自分自身の人生の主導権はあなたが握っている』
in control of:… の主導権を握って、掌握して、管理して
Oracle : I promise, by the time you’re done eating it, you’ll feel right as rain.
⇒ 『これ (クッキー) を食べ終わるころには、気分が良くなっているわ』
by the time: …する時までに
(as) right as rain:絶好調で、まったく申し分なく、完全に正しい
直訳すれば「雨のように正しい」ですが、上記の意味になります。その理由として、雨がまっすぐ降ることに由来している、語頭のrで韻を踏む、雨は降るときには降るから、といった諸説あるようです。
以上です。
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