この記事では、エド・シーランのヒット曲『Shape of You』(シェイプ・オブ・ユー) の歌詞を英語学習を兼ねて、解説します!
英語の洋楽を聴いていて
この歌詞はどういう意味だろう?
和訳はネットで検索すれば出てくるけれど
何故そういうニュアンスになるんだろう?
そんな風に感じたことはありませんか。
この記事を読んで、そんな疑問を解決して頂ければと思います!
概要
『Shape of You』
シェイプ・オブ・ユー
『Shape of You』(シェイプ・オブ・ユー)はイギリスのシンガーソングライター、エド・シーラン (Ed Sheeran) の曲のです。
2017年にリリースされ、全米・全英など各国の音楽チャートで首位を獲得しました。
曲名の『Shape of You』は「君のカタチ」という意味です。
歌詞の内容は、バーで知り合った彼女との恋愛についてで、曲名のようにカタチから、つまり、彼女の外見・身体的な魅力に惹かれて、恋に落ちていく様子が描かれています。
曲の締め括りを含めて、曲名の”Shape of You” とともに “Every day, discoverin’ somethin’ brand new”「毎日、新しい何かを発見するんだ」と歌詞には繰り返し綴られ、恋愛で心が弾むのが伝わってきます。
性的な仄めかしを散りばめながら、歌詞の中で新しく発見する何かは、カタチであったり香りであったり表層的なことですが、外見は内面の一番外側、と言います。外側から内面へと触れ合っていくことは、むしろ自然なことだと思います。
恋愛感情のストレートな描写を、この記事を通して楽しんでみてください。
以下、この記事では英文法を交えて歌詞を解説します。
歌詞・和訳
Lyrics
[Verse1]
【歌詞】
The club isn’t the best place to find a lover
So the bar is where I go
Me and my friends at the table doin’ shots
Drinkin’ fast and then we talk slow
And you come over and start up a conversation with just me
And trust me, I’ll give it a chance now
Take my hand, stop, put Van the Man on the jukebox
And then we start to dance and now I’m singin’ like
【和訳】
クラブは恋人を見つけるのに一番いい場所じゃない
だから、僕はバーに行くんだ
僕と友達はテーブルで酒を飲んで
飲むのが早いから、話すのがゆっくりになる
すると君がやってきて、僕とだけ会話を始める
それで少しどうなるか見てみようと思ったんだ、本当さ
さあ僕の手を取って、待って、”Van the Man”の曲をかけるから
それから僕らは踊り始める、僕がこんなふうに歌いながらね
[Pre-Chorus]
【歌詞】
Girl, you know I want your love
Your love was handmade for somebody like me
Come on now, follow my lead
I may be crazy, don’t mind me
Say, “Boy, let’s not talk too much
Grab on my waist and put that body on me”
Come on now, follow my lead
Come, come on now, follow my lead, mm
【和訳】
ねえ君はわかるよね、僕は君の愛が欲しいんだ
君の愛は僕みたいな誰かのための手作り
さあ、来て、僕についてきなよ
僕は頭がおかしいかもしれない、でも気にしないで
君は言うんだ「ねえ、あまり喋らないで
腰に手を回して、体をくっつけてみて」
さあ、来て、僕についてきなよ
さあ、来て、僕についてきなよ
[Chorus]
【歌詞】
I’m in love with the shape of you
We push and pull like a magnet do
Although my heart is fallin‘ too
I’m in love with your body
And last night, you were in my room
And now my bed sheets smell like you
Every day, discoverin’ somethin’ brand new
I’m in love with your body
【和訳】
僕は君のカタチに恋してるんだ
磁石みたいに押し引きする
僕の心も堕ちているけれど
僕は君のカラダに恋してるんだ
それで昨夜、君は僕の部屋にいて
今、僕のベッドシーツは君の香りがする
毎日、新しい何かを発見するんだ
僕は君のカラダに恋してるんだ
[Post-Chorus]
【歌詞】
Oh, I, oh, I, oh, I, oh, I
I’m in love with your body
(x3)
Every day, discoverin’ somethin’ brand new
I’m in love with the shape of you
【和訳】
ああ、僕は君のカラダに恋してるんだ
(x3)
毎日、新しい何かを発見するんだ
僕は君のカタチに恋してるんだ
[Verse2]
【歌詞】
One week in, we let the story begin
We’re goin’ out on our first date
You and me are thrifty, so go all-you-can-eat
Fill up your bag and I fill up a plate
We talk for hours and hours about the sweet and the sour
And how your family is doin’ okay
And leave and get in a taxi, and kiss in the back seat
Tell the driver make the radio play and I’m singin’ like
【和訳】
1週間後、僕たちの物語がはじまる
初めてのデートに出かけるんだ
君と僕は倹約家だから、食べ放題に行く
君はバッグに詰めて、僕はお皿に盛るよ
酸いも甘いも何時間も話すんだ
君の家族がうまくやっているかなんてこともね
それで店を出てタクシーに乗って後部座席でキスをする
運転手にラジオをつけてもらって、僕がこんなふうに歌うんだ
[Pre-Chorus] >> [Chorus] >> [Post-Chorus]
上記と同様
[Bridge]
【歌詞】
Come on, be my baby, come on
(x8)
【和訳】
さあ、来て、僕のものになってよ
(x8)
[Chorus]
上記と同様
[Outro]
【歌詞】
Come on, be my baby, come on
Come on, be my baby, come on
I’m in love with your body
(x3)
Every day, discoverin’ somethin’ brand new
I’m in love with the shape of you
【和訳】
さあ、来て、僕のものになってよ
さあ、来て、僕のものになってよ
僕は君のカラダに恋してるんだ
(x3)
毎日、新しい何かを発見するんだ
僕は君のカタチに恋してるんだ
歌詞の意味・文法解説
[Verse1]
The club isn’t the best place to find a lover, so the bar is where I go
クラブは恋人を見つけるのに一番いい場所じゃない、だから、僕はバーに行くんだ
club と bar に定冠詞 the がついています。
定冠詞 the は「特定のもの」を表す冠詞で、話し手と聞き手に共通認識がある名詞の前につきます。
ですので、このフレーズで、club と bar は 話し手 (“I”) や聞き手 (“you”) といった登場人物たちの間で共通認識のある club と bar であるということです。
where:…する所
このフレーズの where は関係副詞と呼ばれるもので「…する所」という意味です。
ですので、このフレーズの後半を直訳すると以下です。
the bar is where I go
バーは僕が行く場所だ
Me and my friends at the table doin’ shots, drinkin’ fast and then we talk slow
僕と友達はテーブルで酒を飲んで、飲むのが早いから、話すのがゆっくりになる
出だしが Me and my friends となっていますが、英文法の通例に従えば My friends and I です。
me (目的格) から I (主格)
二人称 (→ 三人称 ) → 一人称 の順番
となるからです。
しかし、日常会話ではこのフレーズのような表現も特段珍しくないです。
なお、friends のあとには be動詞の are が省略されており、doing , drinking が分詞構文と考えられます。
do shots:ショットを飲む
アルコール度数の高いお酒をショットグラスなどの小さなクラスで、一気に飲み干す飲み方です。
And trust me, I’ll give it a chance now
それで少しどうなるか見てみようと思ったんだ、本当さ
このフレーズの後半にある give it a chance のニュアンスの捉え方で、この曲の全体のイメージが変わってきます。
直訳すると
I’ll give it a chance now
今、僕はそれにチャンスを与えよう
です。
例えば、it を you に変えるとこんな意味合いです。
I’ll give you a chance
君にチャンスをあげるよ
話し手側に余裕があり、状況をコントロールして主導権を握っている感じですよね。
つまり、このフレーズでは話し手の “僕” (“I”) は軽い気持ちの遊び半分とも言えるような感じで「この出会い (“it”) にチャンスを与えて、ちょっとどうなるか様子を見てみよう」と思ったということと捉えられます。
順序は逆になりましたが、以上のフレーズ後半の解釈を踏まえると、前半の trust me はどのように捉えられるでしょう?
trust me は「僕を信じて」という意味ですが、そのままでは少し違和感があります。
trust me は2通りに解釈できます。
trust me は「僕を信じて」という意味から派生して「真面目な話さ、本当さ」だったり、「任せてよ」というニュアンスになったりします。
trust me:その1
trust me:本当に、真面目な話
この場合、trust me は「(嘘じゃないよ) 本当さ」ということで、何が “本当” なのかといえば、上述の余裕があって 軽い気持ち・遊び半分 だということが “本当” ということでしょう。
つまり、この trust me は自分に余裕があることを見せようとする一種の 照れ隠し・強がり のようなことですね。
上記の和訳は、こちらの “その1” の解釈です。
trust me:その2
trust me:任せて
この場合、trust me は「(僕を信じて) 任せて」ということで、何を “任せて” なのかといえば、もちろん you (“君”) との恋愛を上手く進めることに自信・余裕があって “任せて” ということです。
こちらの “その2” の解釈でこのフレーズを和訳すると以下です。
And trust me, I’ll give it a chance now
任せて、少しどうなるか見てみるよ
Take my hand, stop, put Van the Man on the jukebox
さあ僕の手を取って、待って、”Van the Man”の曲をかけるから
jukebox:ジュークボックス (硬貨を入れてレコードを自動演奏する装置)
Van the Man はイギリスのミュージシャンのヴァン・モリソン (Van Morrison) のニックネームです。
[Pre-Chorus]
Say, “Boy, let’s not talk too much, grab on my waist and put that body on me”
君は言うんだ「ねえ、あまり喋らないで、腰に手を回して、体をくっつけてみて」
上記の和訳では Say の前に you が省略されていると考え、それ以降を you (“君”) が発する言葉として訳しています。
[Pre-Chorus] の冒頭の Girl と対比するように、Say に続く Boy という言葉があるからです。
なお、say や boy は間投詞 の意味で使われることがあります。
間投詞は、他の言葉の合間で投げかける言葉で、喜怒哀楽の感情や呼び掛け、相づちなどを表します。
say 「わあ、ねえ」…感嘆・呼び掛けなど
boy「わあ、まあ、おや」…歓喜・驚き・落胆などを表す
※この場合、boy は話し手・聞き手の性別に関係なく使われます。
このフレーズの部分だけを読んだとすると、このような間投詞と捉えるのが、むしろ自然ですが、上述のように[Pre-Chorus] 冒頭の Girl と Boy の対比から、別訳としました。
[Chorus]
I’m in love with the shape of you
僕は君のカタチに恋してるんだ
in love with:…に恋している
shape of you:
曲名ともなっている言葉です。
shape of you は「君のカタチ」という意味です。
このフレーズだけならば、「君のカタチ」は服装なども含めて「彼女の見た目」ともとれますが、少しあとのフレーズには in love with your body とありますから「彼女の肉体的な魅力に惹かれて恋愛をしている」ということですね。
We push and pull like a magnet do
磁石みたいに押し引きする
like a magnet do:
「磁石みたいに」ということで、磁石のS 極と N 極が引かれ合うことを男女に喩えた表現でしょう。
文法としては a magnet が単数ですので、三人称・単数・現在形 (三単現) の動詞は does となりますが、このフレーズでは do となっています。
これは楽曲の都合上で do が使用されていると思われます。
Although my heart is fallin‘ too, I’m in love with your body
僕の心も堕ちているけれど、僕は君のカラダに恋してるんだ
falling と進行形ですので、まだ落ちきっていない今、進行中ということです。
too 「…もまた」とありますが、何が同様かといえば [Chorus] の初めにあるフレーズの in love with the shape of you と同様、と考えられます。
つまり、このフレーズの前半を補足すると
「君のカタチに恋してるのと同様に、僕の心も堕ちているけれど」
ということです。
そして、although 「…けれど」という接続詞につながれたあとに、in love with your body とあり、でもやっぱり
「君のカラダに恋してるんだ」
と自分の気持ちのとらえ方が揺り動いていく様子がわかります。
[Verse2]
One week in, we let the story begin
1週間後、僕たちの物語がはじまる
One week in:
通常 in one week となるところを、曲調から begin と韻を踏むために One week in と語順を変えていると考えられます。
in one week で「1週間後」という意味です。
in のあとに期間をつけて「… 後」になります。
似たような意味の前置詞に after があり、こちらも「…後」の意味ですが、違いがあります。
in の場合、現在を基準にして「(今から) …の後」という意味に対し、after の場合、過去・未来のある時点を基準にして「(ある時点から) …の後、…以降」の意味です。
この曲は、I (“僕”) と you (“君”) という二人の物語の出来事を、今 目の前で起こっているかのように描写するために現在形(※)を使って表現されていますので、ここでの前置詞も in になります。
※ 歴史的現在という用法です
歴史的現在については、当ブログでは『Sk8er Boi』(アヴリル・ラヴィーン) でも触れていますので、ご興味があればご覧ください。
You and me are thrifty, so go all-you-can-eat
君と僕は倹約家だから、食べ放題に行く
thrifty:倹約的な、質素な
all-you-can-eat:食べ放題の、バイキング形式の
Fill up your bag and I fill up a plate
君はバッグに詰めて、僕はお皿に盛るよ
Fill up your bag「バッグに詰めて」、とあるのは、恐らく持ち帰って食べる為に、バッグに詰めるということでしょう。
食べ放題 (all-you-can-eat) で持ち帰るのは、もちろんルール違反ですから、ズルをして持ち帰っているということです。
ちなみに、持ち帰り用の容器のことを英語では doggy bag と呼びます。
doggy bag 「ドギーバッグ」は、そのまま直訳すれば「犬用のバッグ」ですが、食べきれなかった料理を家で飼っている犬のために持ち帰る、という建前でこのような呼び名となったそうです。
We talk for hours and hours about the sweet and the sour
酸いも甘いも何時間も話すんだ
形容詞は、定冠詞 the をつけて「…のもの (こと)」を表すことがあり、このフレーズもそれにあたります。
the sweet → 甘いもの
the sour → 酸っぱいもの
日本語でも「酸いも甘いも噛み分ける」といった表現があるように、the sweet は「楽しいこと・嬉しいこと」、the sour は「辛いこと・苦しいこと」の比喩と考えられます。
以上です。
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