作品概要
無実の罪で刑務所に入れられた青年とその周囲の人々とのヒューマンドラマ。30年におよぶ服役にも挫けず希望を抱き続けた男の物語。
原題は「THE SHAWSHANK REDEMPTIONですが、”Redemption”は、「贖罪」(罪を贖うこと) という意味や、財産の「買い戻し」、債務の「償還」(返済)、といった意味です。
この映画を観るとこの言葉をタイトルにした意味があらためて胸に刻まれると思います。
原作はスティーブン・キングの中編小説『刑務所のリタ・ヘイワース』ですが、女優リタ・ヘイワースは性的魅力で人気を得ていた側面もあるため原題のタイトルから除かれたようです。
さらに邦題では ”Redemption” が削られています。日本語では「贖罪」とするより、自由をイメージする「… の空に」としたほうがタイトルとしては確かにしっくりするかもしれません…。
スティーブン・キングの小説は他にも『スタンド・バイ・ミー』、『グリーンマイル』等が映画化されています。『スタンド・バイ・ミー』はこのブログでも記事を載せています。
ご興味ある方は、英語の勉強の参考にしてください。
無実の罪で“ショーシャンク刑務所”に投獄された青年は、心に秘めた希望と持ち前の明るさで周囲を変えていく…。
出典:Amazon
基本情報
アメリカ映画 1994年公開 (142分)
原題:THE SHAWSHANK REDEMPTION
舞台:1947年 メイン州ポートランド
出演:
ティム・ロビンス (アンドリュー・”アンディ”・デュフレーン)
モーガン・フリーマン (エリス・ボイド・”レッド”・レディング)
ボブ・ガントン (サミュエル・ノートン刑務所長)
ほか
語彙の傾向
- Main:刑務所 関連
- Sub : 犯罪、裁判、法律、金融、夫婦関係 関連
英語表現 セリフ 解説
最後の仮釈放面接
収録時間: 2:06:14 ~ 2:08:10
レッドが最後に仮釈放の面接を受けるシーンでの英文です。
原作の小説ではこのレッドと面接官とのやり取りの場面はありません。さらりと叙述されるのみです。映画で創られたもののようです。
Man: Ellis Boyd Redding, your files say you’ve served 40 years of a life sentence. Do you feel you’ve been rehabilitated?
面接の冒頭でレッドに投げかけられる質問の言葉です。これらの表現は刑務所ものの映画等ではよくあるものですが、見ているうちに自然と覚えてしまうと思います。
- serve … years: …年間 刑に服する、…年間 務める
- life sentence:終身刑、無期懲役
- rehabilitate:(犯罪者などを)更生させる
この最後の面接でレッドはこれまでとは違い、開き直ったような、吹っ切れたような態度で臨みます。上記の引用の後にでてくる、次のような fella, sonny といった言葉遣いでもそのことが伺えます。
fella : fellowのくだけた表現
( fellow : 男、やつ、仲間)
sonny : 坊や、若造
面接官を指してこの言葉を使うには勇気が入りますよね…。
Red: There’s not a day goes by I don’t feel regret. Not because I’m in here and because you think I should.
レッドが自分の罪を振り返って語る場面です。
- There’s not a day (that) goes by (when) I don’t feel regret.
この文は次のような関係詞の用法となります。
先行詞:a day 関係代名詞:that (省略)
※There is[are], Here is[are] に続く名詞(ここではday)を修飾する場合、主格の関係代名詞でも省略されることがあります。
先行詞:a day 関係副詞:when (省略)
※関係副詞のwhenやthatは省略されることが多く、ここでも省略されいます。
(つまり、「後悔しない日なんてないさ」と言いたいわけですね。)
- Not because I’m in here and (or?) because you think I should.
ここはちょっと頭をかしげてしまったところなのですが…。
全否定:Not A or B AとBどちらでもない
部分否定:Not A and B AかBのどちらかではない
となりますから、字幕ではandになっていますが、文脈では全否定(or)がしっくりくるように思えます。いかがでしょう?
(文意としては「ここ(面接の場)にいるからとか、お前(面接官)がそうあるべきだと思っているからじゃない。」といったところでしょう)
I look back on the way I was then: a young, stupid kid who committed that terrible crime.
look back on:(過去を)振り返る、回想する
- commit a crime:罪を犯す
これも刑務所ものの映画やドラマでは頻出の表現ですね。ここで ”commit” は悪事や違法な行為をすることを意味します。
過去の自分を ”stupid kid” (愚かな少年)と表現し、レッドの後悔が伝わってきます。
That kid’s long gone and this old man is all that’s left.
be long gone: いなくなって久しい、とっくにいなくなっている
ここは日本語字幕では、”kid” (少年)はレッドが命を奪った男を指しているようですが、前の文脈の流れから、”kid” は過去のレッド自身と思われます。
⇒『時間が過ぎ去り少年は年老いて(いなくなって)老人になった』
Rehabilitated? It’s just a bullshit word.
bullshit:でたらめな、くだらない、たわ言
スラングです。よく出てくる言葉ですので耳に残りますが、自分で使うのは気を付けましょう。分解するとbull = 雄牛、shit = 糞 ですが、つなげると「でたらめ」という意味になります。
⇒『「更生」だって? そんなのくだらない言葉だよ』
I don’t give a shit.
give a shit:気を使う、興味を示す、心配する
こちらもスラングで、通常 否定文で用いられます。
スラングではない表現で言えば「care about」です。
I don’t give a shit. で、『(更生したかどうかなんて)どうでもいい』というわけです。
ちなみに小説版でレッドは年老いて枯れきっているから仮釈放されたんだろう、と回想しているんですが、映画版ではあまり枯れきっているようには見えませんね(笑)。
以上です。
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